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2021年07月16日
資料館レポ№6 みんなに愛され70周年
王子動物園は今年の3月21日でこの地に開園して70年を迎えました。
現在、動物科学資料館休憩ホールで70周年の特別展示を行っています。このブログでは諏訪山動物園から現在に至るまで50周年や70周年の記念誌などで様々に語り継がれているエピソードや動物園が求められてきた社会的背景などを取り上げたいと思っています。
第1回目は「諏訪山動物園」です。
王子動物園の前身である諏訪山動物園は1928年(昭和3年)6月22日に現在の諏訪山公園(神戸市中央区)の場所に神戸区有の公立動物園として開園しています。現在の諏訪山公園ではその痕跡を伺うことは困難ですが、公園内に記念碑が建っています。
日本初の動物園として上野が1882年、次に京都が1900年、天王寺1915年、名古屋1918年と動物園が市民権を得て、次々にできた時代背景がありました。
この頃は外国から動物の輸入が増加したこと 日本にレジャーが少なく、珍しい動物を見ること自体がレジャーの王道であったことなどが追い風でした。
戦後の1946年3月31日に閉園するまで18年間という短い期間でしたが、何といっても、戦時下を経験した動物園でした。戦争が激しくなり、他の動物園同様、軍部から本土空襲に備えて猛獣の殺処分という命令が出されました。以下50年史からの抜粋です。
『諏訪山動物園でも同じように軍から命令が出され、当時の西山園長や松村飼育主任らは「動物を飼育するために勤めているのだから殺すことはできない。」と激しく抵抗し、諏訪山は市街地から離れ被弾の可能性が少ないこと、もし、被弾して獣舎が壊れ猛獣が脱走すれば射殺する。など力説するが、定期的にやってきて「直ちに殺せ」と矢のように催促する憲兵に勝てず、当時の野田神戸市長は断腸の思いで処分を決断したといわれている。』
12種24頭を処分したと記録されています。
戦後の食糧難で動物を飼育することが困難になり、1946年に閉園しますが、5年後に王子動物園が開園します。
その話は次号(8月1日)にて
SHIRYOKAN
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