2012年04月07日
子ゾウの「オウジ」が死亡しました
平成19年10月21日に誕生したインドゾウ「オウジ」(オス、4歳)が、4月7日9時30分に死亡しました。死亡原因は現在、調査中です
「オウジ」は日本で生まれた3頭目のインドゾウで、オスとしては初めての赤ちゃんでした。母ゾウが子育てをできなかったため、誕生当初は飼育員が24時間体制で泊り込み、ミルクを与えて育ててきました。
平成19年12月15日に一般公募で「オウジ」と名付けられ、公開を始たころは、見学者の列ができ、ご覧いただくまでに1時間以上並んでいただくこともあったほどの人気です。
しかし、1歳の誕生日を迎える直前の平成20年9月中頃から足を擦って歩くようになりました。その後、様子を見ていましたが、生後1年1ヶ月を過ぎた11月25日の朝に立つことができなくなってしまいました。
レントゲン検査の結果、起立不能の原因は「骨軟化症」(なんらかの原因で骨が弱くなっている。)と思われ、右前肢に圧迫骨折が見られました。
寝たきりになった「オウジ」は床ずれを防ぎ、健康を維持するために1日1回寝返りをさせ、ミルクや野菜ジュースなどを飲んだり、バナナやリンゴなども食べ元気にしていました。オスらしく牙も伸び、体重も生まれたときから約4倍以上になっていました。
昨年7月にはタイ国へ職員を派遣し、ゾウのリハビリ専門家に相談するなど情報収集し、また10月からは市内の大学教授の協力でリハビリに取り組んできました。
立てなくなってからの3年6か月の間、飼育員と獣医師が懸命に治療とリハビリをしてきましたが、4月5日から食欲がなくなり、付きっ切りで治療してきましたが、今朝病状が急変し、残念な結果となってしまいました。
「オウジ」が亡くなったことで、当園のインドゾウは「オウジ」の両親である「マック」(オス、19歳)と「ズゼ」(メス、22歳)の2頭となりました。
なお、王子動物園では4月14日(土曜)に「オウジのお別れ会」を行います。
インドゾウの「オウジ」
年齢
4歳5ヶ月
体重
生まれたとき 154kg(2007年10月21日)
最後の測定時 630kg(2011年6月3日)
「オウジ」君の生涯
・2007年10月21日
神戸市立王子動物園で父「マック」、母「ズゼ」との間に生まれる。
日本で生まれた3頭目のインドゾウで、オスの誕生は国内初。
母親の「ズゼ」が育てることができなかったので人工哺育を行った。
・2007年12月15日
一般公募で「オウジ」と命名され、寝室内での公開が始まる。
・2008年3月20日
屋外運動場での公開を始めた。
・2008年10月19日
立つことができなくなり、寝たきりの生活となる。
この日より非公開となった。
・2012年4月7日
午前9時30分に死亡