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2022年10月12日
記憶の中の王子動物園
猛暑がやわらぎ、一年でいちばん動物園がにぎわう季節がやってきました。
休日はもちろんですが、平日も学校の遠足などでたくさんのお客様が動物たちに会いに来てくれています。
この2年以上、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、臨時休園を含めていろんな制約が課されもどかしい思いでしたが、これから少しずつでも元の光景に戻っていくように願っている今日この頃です。
さて、先日テレビ番組で、ダウンタウンの浜田雅功さんと俳優の鈴木杏樹さんが王子動物園を訪問されたシーンが放送されました。
(実は、撮影時にその横をすれ違ったのですが。)
そもそも鈴木さんが神戸のご出身と初めて知り、驚きましたが、少女時代を過ごされていた時に王子動物園が思い出の場所だったので、訪問場所に選んだのだそうです。
何でも、ゾウのにおいが記憶に強く残っているとか。
お二人で、ゾウの前でマスクを外してにおいを感じておられる絵に、思わずほほえんでしまいました。
そう言えば、人間の記憶は「嗅覚」と結びつきやすいと、何かで聞いたことがあります。
私も子供の時に王子動物園の近くに住んでいてよく遊びに来ていたので、鈴木さんと同じように王子動物園は思い出の場所ですが、やはり動物園のゲートに来ると独特のにおいがして、非日常の扉が開くようにワクワクしたことを、よく覚えています。
みなさんが、王子動物園の思い出として大切にしていることは、何ですか?
(KYな人)
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2022年10月05日
ZiZi通信 No.63 長らくお世話になりました
ふれあい広場の片隅に広場開設(1991年)とともに設置された公衆電話ボックス。
屋根の上にはコアラの親子!
ちょっとオシャレで動物園感が出ています!今では電話ボックスを街で見かけなくなりましたが、これも時代の流れでしょうか?
そして、残念ながらこの10月中旬に姿を消すことになりました。
園内には公衆電話がなくなりますが、入園ゲート南の横断歩道を渡ったところにあります。
もしもの場合はこちらをご利用いただけますのでよろしくお願いいたします。
なお、電話ボックスのコアラ親子は動物園で保護いたします。
ZiZi1号
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2022年10月01日
資料館レポNO.22 特別展「ジャイアントパンダは今…」~タンタンのふるさとからのメッセージ~開催中(3)
中国ジャイアント保護研究センターより提供していただいた貴重な写真とビデオを使用し、展示を企画いたしました。
今回で、3度目の紹介になります。
今回は中国ジャイアントパンダ保護研究センターで行われている保護活動について、提供していただいた写真を使って紹介します。
このセンターでは飼育下のジャイアントパンダの野生化訓練と野生復帰に関する研究に力を注いでいます。
2006年には、世界初、人工繁殖のジャイアントパンダ「祥祥」が野生に帰りました。まず、野生化訓練は
センター内のほぼ自然環境に近い環境で、人もできるだけ干渉しないようにして「母と仔」で体験的に生活させる訓練をします。
母親から木登りを教わる仔パンダ
徐々に野生化への訓練をしていきます。
訓練中の仔パンダに接触するときは、人の干渉をなるだけ避けるため、スタッフはパンダに変装します。
野生化訓練中の雪の中の「淘淘」
野生化訓練中の「淘淘」と「草草」 野生のタケノコを食べる
いよいよ自然へ放たれる「淘淘」
モニタリングと一連の技術を確立し、これまでに飼育下で繁殖した9頭のジャイアントパンダの野生復帰に成功しています。
また、野生で傷ついたり、弱ったパンダを助ける救護活動も行っており、治療をし、再び野生復帰を目指します。
車も入れないところを人力で運び出す現地の方々
この特別展によりタンタンのふるさとで行われているジャイアントパンダの最前線の保護活動の様子を知り、さらに野生のジャイアントパンダへの興味を広げていいただけば幸いです。
Norigoriチャン
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2022年09月27日
ZiZi通信 No.62 ブログ再開しました!
皆様 ご無沙汰しておりました。 ZiZi1号です。
設備の仕事頑張っています。
今日は開園前に毎週行っています水道メーター検針です。
園内の各獣舎などに自主設置メーターも含めて26か所を回ります。
これで使用量、漏水などを把握する地味な仕事です。
先日も200m3の漏水を発見し、補修しました。
検針してても来園者のいない朝の動物園は最高です。
パンダなマック見つけました。
アシカ赤ちゃんのシンクロ見つけました。
いいことありますね!
ZiZi1号
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2022年09月15日
資料館レポNo.20 特別展「ジャイアントパンダは今…」~タンタンのふるさとからのメッセージ~開催中(2)
前回は入口の中国ジャイアントパンダ保護研究センターで生まれた赤ちゃんパンダの写真コーナーの紹介で終わってしまいました。
今回は、このセンタ―でのジャイアントパンダの赤ちゃんの成長の様子を写真でご紹介します。
このセンターにたくさんのジャイアントパンダがいる理由は、
パンダの繁殖の課題、「発情が年1度のわずかな期間しかない」「自然交配での妊娠率が低い」「赤ちゃんの生存率が低い」を克服し、飼育下での繁殖に成功するようになったからです。
また、血統管理を強化し、遺伝学的分析に基づいて繁殖計画を立てるようになりました。
2017年 出生数が過去最多に(入口写真コーナーの背景にも使用)
1980年代初頭、このセンターには6頭しかいなかった飼育下のジャイアントパンダも今では356頭に増えています。
ではセンター提供のとっておきの展示中の写真をご覧ください。。
ジャイアントパンダの赤ちゃん 2日齢
ジャイアントパンダの赤ちゃん 1週間齢
人工哺育の場合、30日齢ごろまで哺育器内で過ごします。
双子や三つ子がうまれることもあります。
人工哺乳のようす(王子動物園に来園した王飼育員)
100日齢
飼育下のジャイアントパンダの中から適正な個体を選び、野生化訓練後、自然に戻すことにも挑戦しています。
次回はその野生化訓練の様子を紹介します。
Norigoriチャン
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2022年08月17日
資料館レポNo.19 特別展「ジャイアントパンダは今…」タンタンのふるさとからのメッセージ 開催中!
中国ジャイアントパンダ保護研究センタ―から獣医師の成さんと飼育員の王さんの2名のジャイアントパンダの専門家を5月にお迎えし、アドバイスをいただきながら、日中協力しタンタンの健康管理に取り組んでいただきました。
中国ジャイアントパンダ保護研究センターは中国の公的機関で、ジャイアントパンダの保全に取り組んでいます。
成獣医師(左)と 王飼育員(右)
この専門家2名の滞在中(8月4日帰国)に急遽、講演会と特別展の開催が決まり、かなりハードなスケジュールでの準備となりました。
中国ジャイアント保護研究センターより提供していただいた貴重な写真とビデオを使用し、展示を企画いたしました。。
通訳の方のご協力もあり、何とか解説もつけることができました。
とにかくこのセンターにはジャイアントパンダでいっぱい。
見てください。日本では信じがたいこの光景。
ぬいぐるみではありませんよ。
人工授精、人工哺育などの技術の向上で毎年たくさんの赤ちゃんが生まれ、育つようになりました。
そして、この展示の入口にはこの写真を採用
2017年に生まれのジャイアントパンダが皆さんを迎えてくれます。
ここでまず記念写真をどうぞ
ちなみに資料館スタッフが試し撮り。
うーん。なかなかリアル!こんな感じでお楽しみください。
かつて展示で使った生後1か月の赤ちゃんパンダのぬいぐるみも活躍しています。
今回は入口の紹介で終わってしまいました。
次回は現地でのジャイアントアパンダの保護活動の最前線の様子を皆さんにお伝えしたいと思います。
Norigoriチャン
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2022年02月19日
資料館レポNo.18 トラの講演会を開催します!
今年は寅年。
いつもなら、トラに因んだ干支展を特別展示室で開催しているところですが、昨年から引き続き、特別展示室では「ありがとうタンタン」展を開催中で、トラは少しパンダの陰に身を潜めている感じです。
せっかくの寅年、トラにももう少しスポットがあたってもいいのでは…
そこで 3月20日(日)にトラに関する講演会を開催することになりました。
トラのことを深く知り、トラを守るために何ができるかを考える機会にしていただけばと思います。
野生のトラは4000頭以下と言われ、絶滅の危機に瀕しています。
そんなトラを守るには、まずトラのことをよく知ることが大切です。
今回は野生のトラと動物園のトラの両方からのお話をします。
野生のトラについては杉本太郎先生(兵庫県立大)をお招きし、ロシアの沿海州で野生のアムールトラの調査をしておられた研究者により、現地の調査の様子や研究、保全活動、最近の研究成果などをお話いただきます。
また、王子動物園のトラの紹介や動物園でのアムールトラの現状を当園の笠原獣医からお話いたします。
昨年11月には、アムールトラのオス「ショウヘイ」が来園。
ショウヘイは現在、運動場へ出る練習をしているところです。
メスのレーニャとの間にはやく赤ちゃんができればと期待がふくらみます。
長く続いている不安定なコロナ禍の状況、無事に講演会ができることかどうか心配ですが、コロナ対策をして開催しますので、どうぞ、皆さん、参加応募待っています。
詳細、申し込みは、王子動物園HP→最新情報→イベント情報をご覧ください。
2月20日から受付開始。締め切りは3月9日まで(応募者多数の場合抽選)
待ってまーす。
Norigoriチャン
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2021年12月01日
資料館レポ№17 動物科学資料館~みんなに愛され70年~
現在、王子動物園の北東側に位置する動物科学資料館は1987年3月にオープンしました。建築総床面積2,828㎡、平屋、総工費12億円 展示、図書室、休憩ホールのほか200人以上の収容能力のあるホールを兼ね備えるもので、屋上には六甲山系から神戸港まで見渡せ、ハンター住宅がローケーションにある庭園をもつ日本の動物園でも有数の施設です。
<資料館 オープン式典> <資料館 現在>
資料館が建っている場所はかつて旧関西学院中等部の校舎(3階建てレンガ造りのべ3,800㎡)がありました。この建物は立派な建築物でしたが、耐震化の問題があり、再利用ではなく、建て替えることになりました。記念として建物の赤レンガが休憩ホールの北側の壁面に埋め込まれています。
<旧関西学院中等部 全体像>※ハンター住宅が後方に見える
<旧関西学院中等部 部分>
資料館の役割は「教育普及の拠点とはく製や骨格標本の保存と活用」です。 図書室には、動物に関する図書は約1万2千冊、他の動物園の情報誌もそろえています。建物の東部分で少しわかりにくい場所にありますが、ぜひご利用ください。 「楽しく学ぶ」をコンセプトに教育支援事業を初め、様々な催しを行っています。大人も子供も動物を通じて自然環境を学べる場所にしていきたいと思っています。
<はく製展示室>
※現在の展示「歴史を彩ったはく製になった動物たち」
今回をもって、王子動物園の歴史をふりかえる「愛され続けて70年」のブログは終了します。動物園の再整備が始まり、王子動物園は次の80周年、100周年に向けて進み出しますが、次の愛される歴史になることを望んでいます。
SHIRYOUKAN
※ 写真をクリックすると大きくなります。
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2021年11月16日
資料館レポ№16 亀井一成 飼育員~みんなに愛され70年~
動物園の飼育員といえば、今では動物好きの子供たちがなりたい上位にくる 仕事ですが、かつて、王子動物園にはこの人をテレビで見て目指したという人気の動物飼育員がいました。1951年の開園から1990年まで在籍された亀井一成さんです。東のカバ園長、西山登志雄(上野動物園のカバの飼育係を経て、1981年より東部動物公園の初代園長)、西の亀井一成と言われるほど日本では有名な飼育員でした。
亀井さんは1970年、80年代にテレビや講演会に頻繁に出演されて、動物園の魅力や動物のすばらしさを伝えるのがとても上手な方でした。とくに、聴衆を泣かせる話をする名人で、王子動物園の宣伝にも大きく貢献してくれました。
<諏訪子に乗る亀井さん(19歳)>
亀井さんの飼育の実績で取り上げられるのが、日本で初めてのチンパンジーの人工保育の成功です。以下50年史の記事からです。
「1963年、6月22日チンパンジーに待望の赤ちゃんが誕生した。しかし、母親の摩甲は子供を抱きかかえているが母乳を与えている様子がなく、母乳が出ないと判断し、亀井一成飼育員はなかなか離さない母親から子供を取り上げ、人工保育が始まった。しかし、前例がほとんどないため、小児科医に相談したり、外国の文献を調べたり、人用の人工乳を工夫して飲ませたり、おむつをさせたり、夜は自宅に連れ帰り一家総出で育児に専念した結果、立派に成長し、公募によりチェリーと命名された。」
<チェリーを抱っこした亀井さん>
退職後は、動物科学資料館で「こども動物相談」コーナーを開設して子供たちに豊富な経験をお話されていました。著書には「ゾウさんの遺言」「チンパンジー神ちゃんの日記」「亀井一成のなぜなぜどうぶつ相談室」など多数あります。動物科学資料館に置いていますので、ご覧ください。
<相談コーナーの亀井さん>
亀井さんは2010年にお亡くなりになっていますが、チンパンジーの「チェリー」も2014に51歳で亡くなりました。きっと天国で再会し仲良く過ごしていることでしょう。
SHIRYOUKAN
※写真はクリックすると大きくなります。
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2021年11月01日
資料館レポ№15 希少動物の繁殖~みんなに愛され70年~
動物園が果たす大きな役割として「希少動物の繁殖」があります。自然豊かな地球上で長い年月をかけ、進化し、種の多様性が見られるようになった動植物が近年の人間の社会経済活動によって絶滅する種が急速に増えた現状があります。希少な野生動物を飼育し、一般の人に向け展示してみてもらうことで成り立っている動物園ですから動物園の存在意義を問われた際、世界の動物園は野生動物の繁殖や保護を第1の役割とした訳です。現在、日本の動物園では各園館が協力し、動物の貸し借り(ブリーディングローン)を活用し、繁殖に取り組んでいます。また、環境省と連携して日本の絶滅危惧種である「ツシマヤマネコ」や「ライチョウ」などの域外保全(野生個体を動物園で増やし、生息域に戻す)に一部の動物園が取り組んでいます。
<ジャイアントパンダ タンタン>
ジャイアントパンダは世界中で繁殖に取り組んでいる典型的な事例です。ジャイアントパンダは今では中国の四川省の山奥にのみ生息する動物ですが、その数は1600頭まで数を減らし、最も絶滅の危機にある動物とされていました。中国では、その生息環境の保護に力をいれるとともに、保護センターでの繁殖に力を注ぐようになりました。海外の動物園も共同繁殖研究という形でジャイアントパンダを借り受けて繁殖させ、中国に戻すという協力をするようになりました。王子動物園もその一員として参加しています。さらに、中国では、繁殖個体を若い時期から自然環境の中で育て、成獣になって野生で生活できるよう取り組んでいます。そのような努力もあり、生息数は1800頭を超え、絶滅の危険度ランクをIUCN(国際視線保護連合)が下げました。
<四川省 臥竜の保護研究センター>
王子動物園の動物の繁殖で大変な苦労したのは、アジアゾウ「ズゼ」の3回の出産ではないでしょうか。現在のペアのオスのマックとズゼはとても仲良しで相性も抜群でした。初めての妊娠は2002年でしたが、残念ながら死産となりました。無事出産できたのは2004年に誕生したメスゾウの「モモ」でした。日本でアジアゾウの出産は初めてで日本動物園水族館協会より繁殖賞を受賞しました。ところが、ズゼが授乳しなかったため、人工保育となり、生後8か月でボールで遊んでいる際に、前肢を骨折して寝たきりとなりました。床ずれ防止の寝返りや清拭を毎日行うなど手あつい看護の甲斐もなく、1歳で死亡しました。
<2004年に誕生した モモ>
次の出産は2007年、オスの「オウジ」が誕生しました。ズゼはまたしても授乳させてくれませんでした。前回、骨がもろかったという反省から外国からゾウ用のミルクを取り寄せ、人工保育を行いました。しかし、1歳過ぎて、前肢を骨折し、寝たきりになりました。タイに職員を派遣して看護の方法を調べてオウジ の世話を続けましたが、2012年、腸捻転が原因で亡くなりました。
<2007年に誕生したオウジ>
ゾウは本来、群れで生活する動物で、その中で先輩ゾウから様々なことを学習して生きるすべを身に着けます。「ズゼ」は幼くして母ゾウから離れ、その経験がありませんでした。今後、繁殖を成功するにはズゼが子育てを学習して自然保育することが必要と考えるようになりました。そして、4回目の妊娠をズゼがしたことが、判明し、群れで飼育していて、授乳中のメスいる千葉・市原ぞうの国へ妊娠安定期に移動することになりました。2014年、オスの「結希」が誕生しました。ズゼの群れでの学習を期待しましたが、授乳させることはできませんでした。市原にいた授乳中のメスゾウが乳母をしてくれ、過去2回のような骨の異常も見られず、乳兄弟の姉さんゾウと一緒にすくすくと育っています。
<結希の里帰り/向かって右が結希>
飼育下での繁殖は自然下とは異なる要素がいくつもあり、成功させるためにはこれらを1つ1つ解決していかなければなりません。失敗で得た知識や経験も糧にして、そのノウハウを将来につなげていく必要があるでしょう。
※写真はクリックすると大きくなります。
SHIRYOUKAN
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