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2023年06月04日
もうひとつのテーマソング
ゴールデンウイークも過ぎ、平日には学校の遠足で楽しそうな子供たちが多くみられるようになりました。先日は4年ぶりに王子公園内で「六甲ファミリーまつり」も開催され、新型コロナウイルス禍から日常を取り戻す営みがいよいよ本格化してきました。
以前このブログで、王子動物園のテーマソングであるワタナベフラワーさんの「ずーっといっしょ」について書きました。ポップで親しみやすく、何といっても覚えやすい詩とメロディーで、4月からJ:COMケーブルテレビで放送が始まった「おうじどうぶつえんと ずーっといっしょ テレビ」のオープニングでももちろん流れています。
番組に対してはご好評をいただいており、J:COMさん、ワタナベフラワーさんをはじめ、協賛企業のみなさまにも、この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。
ところでみなさんは、もう一つ、王子動物園をテーマにした楽曲があるのをご存じですか?その名もズバリ、「王子動物園の唄」。
あの「浪花のモーツアルト」、作曲家のキダ・タロー先生の作詞作曲なのです。偶然ですが、私は動物園の仕事につく前から、この楽曲の存在を知っていました!
歌詞カードもないので、録音を聞いて歌詞を書き起こしてみると、こうです。
したたる緑と浜風と やさしい人たちに包まれて ルルル
今日も聞こえる 命と愛の唄
今日も花咲く 王子動物園
お前のふるさと遠い国 懐かし父母を夢に見て ルルル
今日も歌おう 命と愛の唄
世界に花咲け 王子動物園
短いですが、素晴らしい詩だと思いませんか?遠くから来てくれた動物への慈しみにあふれ、また王子動物園ならではの風景が目に浮かびますね。
昨年12月に公表した「王子動物園リニューアル基本構想」に掲げた「六甲の豊かな緑を感じ 動物と人がいきいきと過ごしながら 世界につながる動物園」というリニューアルに向けたコンセプトにも、この詩の思いが引き継がれている気がします。
CDがあるようですので、機会があればこの曲もぜひ聞いていただきたいです。
この楽曲ができた経緯や位置づけについては、動物園には資料などが残っていないようで、詳細が不明です。
聞いた限りでは、どうもかなり昔にキダ先生が出演されていたラジオ番組の中で生まれた楽曲との説もありますが、どんないきさつだったのかもわかりません。
キダ先生に直接聞きたいなぁ・・・という気もするのですが恐れ多いですね(笑)。
ということで、この稿をご覧になった方、何かご存じでしたら、情報をお待ちしています。
(KYな人)
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2023年06月01日
チームタンタン日記(2)
4月12日、すでに知っている方もいるかも知れませんが、ジャイアントパンダ館屋外展示場を囲うようにシートを設置しました。
(シート設置前)
(シート設置後)
これは現在心臓疾患の治療中である旦旦の治療の一環として作られたものです。
以前までは旦旦にあまり負担をかけないよう、休園日の水曜日のみ屋外展示場に出てもらい、休園日以外は通路でフェンス越しに日光浴をしながら過ごしてもらうようにしていました。
(日光浴中のタンタン)
やはり旦旦も屋内ばかりよりも屋外で過ごす方が気持ちが良いのか、屋外ではリラックスして過ごせているように思えたので囲いを作ってもらう事になりました。
囲いが出来上がってからの数日は屋外展示場に出ても周りを見回したり、少し落ち着きがない様子も見られましたが、そこは順応力抜群の旦旦ですので(笑)
すぐに環境にも慣れてくれて、以前と変わらない様子で過ごしてくれるようになってくれたので、とても安心しました。
囲いを設置して約一か月経った現在は、天気の良い日はなるべく屋外に出て自由に過ごしてもらい、旦旦も楽しそうに日光浴や散歩を堪能してくれていますよ。
ただジャイアントパンダは暑さが苦手なのと旦旦の病気や年齢的な事もあり、屋外の温度には今まで以上に
気をつけなければいけないので、夏までにはまた通路で過ごしてもらう事になると思います。
気候がよい時期のうちに旦旦には少しでも今の生活を楽しんでもらいたいと思います。
【現在、観覧は中止していますのでご了承ください。】
うめもとりょうじ
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2023年05月26日
○○の人工哺育
大きな目に大きな耳
何の動物か分かりますか?答えは…
夜行性動物のエリアで飼育している
「エジプトルーセットオオコウモリ」の赤ちゃん、です。アフリカや中東の森林等に生息し、果実を主食としています。
大きな眼とイヌに似た顔つきが特徴です。今回は、エジプトルーセットオオコウモリの赤ちゃんの人工哺育について、ご紹介します。
コウモリの赤ちゃんは、母親のお腹に後ろ足で逆さまにしがみついたまま、母乳を飲んで育ちます。
昨年11月、母親が衰弱し、お腹に赤ちゃんを抱えたまま床面にいるところを保護しました。
残念ながら母親がまもなく亡くなってしまったため、この赤ちゃんを飼育員が育てることになりました。丸めたペットシーツにしがみつかせ、暖かい哺育器の中で育てました。
最初は1日に8回、コウモリ用のミルクを少しずつ与えました。ミルクを与える時も、逆さまです。
体重測定の様子
順調に成長してきたら、ミックスジュースや、人の赤ちゃんの離乳食のミックスフルーツを少しずつ与え始めました。
慣れてきたら、バナナやリンゴなども食べられるようになりました。飛ぶための練習も始めていますが、翼をケガしてしまっており、うまく飛ぶことができません。
飛ばなくても餌を食べられるよう、餌の置き方などを工夫しています。担当者が一生懸命に育てた仔が、今後も無事に成長してくれることを願うばかりです。
最近はヨザルの展示場の隣で過ごしていますので、よければそーっと、会いに来てくださいね。ション
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2023年05月25日
動物園で仕事をすることになった!
神戸市立王子動物園。
市立なので神戸市職員が、ここで仕事をすることになることもあります。
この4月から、事務職員として王子動物園で仕事をすることになりました。
仕事中は、事務仕事で事務所から外に出ることは少ないです。
で、動物園のことを知っていくため、朝早くに動物園の中を歩きます。
仕事前にこんなに早く出てくることは、今までの職場ではなかったなあ。
そして、休園日のお昼休みも歩き回る時間です。
この日は、普段できない工事・修理を集中的に行います。
園内には、作業車、作業する人がいっぱい。
ちなみに休園日は、動物にとっては日々のいち日です。
飼育員さんも動物のために。ほら。
ゾウのマックは遊び好きかな。休園日は人がいないので退屈しているのかな。
私が行くと目ざとく見つけて、のっしのっし(ズッシャッズッシャッと土の音)と近づいてきて、長い鼻を差し出してきたり、いろんなポーズをとってくれます。
ユキヒョウのユッコは、見て見てと(思えて仕方ない)ふと~いシッポをしなやかに、のんびりお散歩、時にはパルクール?
くつろぎタイムのジャガーのネリア、私の気配に気づいたのか、こちらをジロリと振り返り。
アムールトラのレーニャは、朝ののんびりタイム、かな?
何か、狙ってる?
くつろいでたのか。
こうやって、ひとりでじっくりと動物園、動物たちを見てまわって、気づくこと。
動物が、ここに居る、生きている、一緒にいるのだなあと、しみじみ思います。
さあ、今日も動物と一緒に(思って)時間をすごそう。
動物園、動物、そして来園者のため、私は、仕事、がんばるぞ。
(おまけ)
今年最初のベニイロフラミンゴの赤ちゃんが生まれました。(まだ白い)
〔 目指せ、動物園ボーイ 〕 -
2023年05月23日
ZiZi通信 No.77 滝が....
ご無沙汰しています。
バタバタしているとなかなかブログ更新に至りません。
そんな言い訳はこれ位にして....ふれあい広場の滝の回りに水が散って水浸しになっていると相談がありました。
ありゃりゃ!ほんまや。天井にも水が回っています。
水の流れを変えている何かがあるのかな?
写真ではわかりづらいので、スケッチしたら何となくわかりました。
滝の止まった時に見たら、流れの変なところの落ち口に枯れ葉が詰まっていました。
これが原因と思いましたが、実は落ち口のモルタルが取れて、その隙間から天井に水が回っていることがわかりました。(少しややこしいので省略)
とにかくそこに水中ボンドを押し込んでやっと完了しました。直営(自分たち)で直せて良かったです。
ZiZi1号 -
2023年05月18日
アムールヒョウのスク
アムールヒョウの「スク」(メス)は2019年7月29日、「セイラ」の仔としてオス1頭、メス2頭で生まれたうちの1頭です。
「スク」(メス)、「ラム」(メス)、「トライ」(オス)の3頭です。
母親のセイラが育児をしなかったため人工哺育で育ちました。本来は母親が育てることが自然ですが、ネコ科の人工哺育をした事がなかったのでいい経験になりました。
スクが生後8ヶ月頃、小さく切った馬肉を与えているとき、こんな事がありました。
放飼場で3頭を遊ばせた後、寝室に戻し餌を食べさせていたのですが、トライが体も大きく、自分の分を食べ終わるとスクの餌を取りに行きました。
スクは取られまいと急いで食べてしまい、肉を喉に詰まらせてしまいました。
えずきだし、肉を吐き出しましたが、その後倒れて動かなくなってしまいました。
獣医さんを呼んでいる時間も無いので、急いで中に入り、口の中を見ると肉が見えたので取り出しました。
心臓マッサージと人工呼吸をすると20秒程で呼吸をしだしました。
それからしばらくはトライと分けて餌を食べさせました。
足を痛めて治療したこともあり、今でも人に対して甘えてくるときもあります。
野生のアムールヒョウは開発による生息地の分断、それによる近親交配による成長や繫殖の障害、毛皮目的の密猟等により、生息数は100頭程とも言われています。
生息地を守るとともに、アムールヒョウという亜種を絶やさないように世界ぐるみで飼育、繫殖させていかなければなりません。
トライは2020年6月30日によこはま動物園ズーラシアへ、ラムは2020年12月23日に福山市立動物園へ移動しました。
いずれスクも移動し、新しい命を繋いでいってくれることを願います。
やん
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2023年05月16日
いただきます。ごちそうさま。
先月の日曜日、飼育の日のイベントを開催しました。
当日はお天気も良くて、たくさんの来園者がこられていました。
資料館では園で飼育されている動物たちが、どんな「餌」を食べ、どんな「うんち」をするのかをクイズ形式に展示する『うんち展』を開催しました。家族連れも多く、小さな子どもたちもいろんな動物たちの写真やうんちを前に「この果物食べるの誰かな~?」「こんなコロコロしたうんちは誰のん?」と、大人も子供も興味津々。
その中にシロフクロウの餌である、馬肉とマウス(ハツカネズミ)の写真がありました。これは誰が食べるのかな?
子どもは抵抗なく、○○ちゃう?それとも○○かな?と思った動物の名前を答えます。
その傍らに、少し表情の硬めの大人たち。
よく、マウスをそのまま与えるのは残酷だ、かわいそう、という事を言われます。
確かに、可愛いつぶらな瞳を見た後にそれをパクッと食べられるのを見てそう思うのは、間違ってはいないと思います。
では、魚が食べられるのを見た時は?
食文化として、活け造りや踊り食い、なんて食べ方もあります。
そんな時は、可哀想より美味しそうの声を聞く気がします。
私たち人間は感情の表現が豊かで、それを表に出したり、コミュニケーションをとるのに役立てたりしますよね。
でも、私たち人間以外の生き物たちにももちろん感情はあります。
分かりやすいか分かりにくいか、だけのような気がします。
自然の中で生きる者たちは、自分たちで食べる物を探して、あるいは捕まえて食べます。動物園の中で生きていく彼等も同じように出来れば理想的だと思います。
しかし、そうはいかない彼等のために私達飼育員は食事の準備をします。
どんな動物も、生きものを食べています。肉食動物ではない動物たちが食べている牧草や飼料もその元を辿れば、みんな生きているものが材料として含まれているのです。
生命は循環しています。
命は生命で生かされていることを、生命をいただくありがたさを、まだこれからいろいろな事を吸収していく子どもたちに、また、忘れかけている私達大人たちにも伝わる動物園であればいいな。と感じたイベントの時間でした。From・BTN
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2023年04月27日
ゴールデン・・
こんにちは。
GWですね。まちにまったGWですね!!・・・残念ながら今年は天候に恵まれていないようです。
学生の頃 山で自然活動にハマっていた時に教わったことですが、
晴れてるときと雨のときと自然の姿には違った魅力がある!!ということです。
顔を出す生き物の違いや雨が反射してみせる景色など。様々。
まだ王子動物園に来て間もないですが、こんな近くに生き物がいっぱいいる環境はそれを再確認するチャンスでは!!
そうなんです。ここ王子動物園では雨でも楽しめる環境がいっぱいあるんです。
旧ハンター住宅や動物科学資料館も雨にぬれず十分楽しめますし、あまやどりしながら動物を観覧することもできるんですって。amayadori.pdf (kobe-ojizoo.jp)
まだお悩みの方、雨の中の王子動物園 おススメです!
個人的に体験したいなーと思ってるのが、動物と競争ができる自転車レースです。
爆走したい!!!
μ(魅せられて)
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2023年04月24日
おっちゃん日和epi.4 新緑のシーズンがやってくるゾウ
前回の投稿が2月下旬。2か月前には「春よ来い。早く来い。。。」と春を待ちわびていましたが、「あっ」という間に4月下旬となりました。
王子動物園では夜桜の通り抜けが終わり、桜の花も散ってしまいましたが、これからは木々が芽吹き、新緑の眩しいシーズンへと移り変わっていきます。
雪が降った1月には寒そうに立ちすくんでいたゾウも、今ではすっかり草に覆われ、夏になると隠れてしまうのでは、と心配しています。
園内ではツツジが「もうすぐ満開になりますよ…」と言わんばかりに、いたるところでタイミングをうかがっています。
花と緑に覆われた王子動物園へぜひお越しください。お待ちしております。
おっちゃん日和
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2023年04月13日
未来のために
あっ!という間に「サクラ」の花も散りだして、みんなの春が通りすぎていきますね。
ご存知でしょうが、王子動物園の園内にはたくさんの「サクラ」の木があります。
今年もたくさんの方に訪れていただいた春休みの動物園は美しく華やかでもあり、少し悲しくもあり、不思議な感情が入り混じっていたように思われます。
3月から4月にかけては、卒業式や入学式、入社式などたくさんの行事もあり、新生活を迎える大事な時期でもあります。
今年、王子動物園の飼育スタッフにも例年になく大きな動きがありました。
3月末までに定年にともなう退職者が2名、他の動物園に移って行った任期付のスタッフが3名の計5名が王子動物園から離れ、4月からは新たに5名の飼育スタッフが仲間に入りました。
過去にこれほど多くのスタッフが入れ替わることなどなかったので不安なこともありますが、他の動物園で飼育スタッフとして働いてきた経験のある人や、大学で動物の福祉について専門の勉強をしてきた人、短期間でしたが王子動物園で働いた経験のある人に、動物の飼育に熱い情熱を持っている人などなど。
様々な人が集まってくれたおかげでスタッフ一同、力を合わせて頑張っていけると思っています。
動物の飼育にたずさわる仕事は、愛情や向上心を高く持つことはもとより、なにげない日常の中で多くの経験や技術を毎日少しずつ積み重ねながら、新しい知識や感性を磨くことが重要だと思います。
また数十年に一度経験できるかどうかのリニューアルが控えている今だからこそ、現場としては正規のスタッフの加入を望んでいたのですが、今回は任期付のスタッフで補うことになりました。
新しく加わったスタッフたちにはせめてこの貴重な時期により多くのものを吸収してもらい、いまできること、そして未来の動物たち、未来の動物園のために頑張ってもらいたいと思います。
ぶろぐのぐ
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