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2024年05月26日
動物専門員の日常#11 “リスと小鳥の森~繁殖に向けての取り組み①~”
みなさん、こんにちは。
春は過ぎ去り、初夏の季節がやってきました。
暖かすぎる日々が続きますね。
王子動物園で“春”といえば、桜の通り抜けが有名ですが
個人的にとっても待ち遠しかったことがあります。
それはニホンリスの恋のシーズンの到来です。
ニホンリスは名前の通り、日本国内だけに生息する固有種で本州・四国の平地から低い山を中心とした森林地帯に生息しています。
主に樹上で暮らし、昼間も活発に動きまわり冬眠期間はありません。
初春から夏にかけてはニホンリスたちにとっての恋のシーズンで1産あたり2~6仔を出産します。
王子動物園では“動物とこどもの国エリア”内にリスと小鳥の森があり、
そちらのエリアでニホンリスを飼育しています。
昨年“リスと小鳥の森”内の最も広いスペース(通称:森内エリア)で初めてニホンリスの営巣と繁殖を確認することができました(/・ω・)/
昨年、巣箱で産まれたときの写真がこちら▼
かわいすぎます!
今年も引き続き、ニホンリスの営巣と繁殖を目指すべく“リスと小鳥の森”を少しずつアップグレードしてきました。
「ああではないか」「やっぱりこうした方がいいのではないか」とみんなで悩みながら進めてきましたので
ブログで少しずつ紹介したいと思います。
お楽しみに~。
おまけ▼
この写真は“動物とこどもの国”エリアの約33年前のポスターです。
コアラ舎のスタッフ用の控え室に長い間、掲示されていたため色あせていますが
オープン当初のわくわくした感じが伝わってきます。
動物専門員 あお
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2024年05月24日
じゅーいのしゅーい#140 はじめまして、改め…
お久しぶりです、じゅーいのメガネダヌキです。
と言っても、誰やねんという感じですよね…
2018年春に動物園を離れてから、このたび6年ぶりに動物園に戻ってまいりました。王子動物園はいよいよリニューアルに向けて激動の時期。
5年後、10年後の王子動物園はどうあるべきか?
前よりもっと、さらに切実に取り組んでいかねばなりません!でも目の前にあるのは、今日明日が締め切りの仕事だったりして…。
日々迷えるじゅーいですが、動物たちから学びながら、動物と動物園のことを考え続けていけたらなあと思っています。
またブログでゆるくつぶやいていきますので、よろしくお願いします。
がっちゃんにも再会のご挨拶をしました。
喜んでくれた、かもしれない…?
(亜種メガネダヌキ)
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2024年05月23日
別れは来るけど・・・
2024年度の王子動物園は、大きな出来事で幕を開けました。
約24年にわたって多くの方々に愛されてきたジャイアントパンダのタンタンが、3月31日深夜に静かに旅立った知らせが、神戸での桜の開花宣言とともに4月1日に伝わりました。直後から多くの献花をいただき、5月10日には追悼式が行われましたが、この間に聞こえてきたのは、悲しみを上回る「ありがとうタンタン」という声でした。
神戸の復興を後押しするため、日本と中国の友好のために神戸に来てくれて、どれだけの人々が勇気づけられてきたか、ここで述べるまでもありませんね。
これまで王子動物園や神戸のまちににぎわいをもたらしてくれて本当にありがとう!残った私たち、動物もスタッフも、もっともっと盛り上げていきますから、空の上から見守ってくださいね。
もうひとつ、お別れの知らせが届きました。
昨年の6月4日にブログでつづりました「もうひとつのテーマソング」。そこでご紹介しました「王子動物園の唄」を作詞作曲された、“浪花のモーツァルト”キダ・タロー先生が亡くなられたとのことです。
あらためてこの歌を聞きました。詩、曲ともに本当に素晴らしいと再認識しました。その時に書いたように、この作品ができたいきさつや思いを、やはり直接聞いてみたかったなぁ・・・と、今となっては少し悔いが残りますが、この作品がいつまでも王子動物園とともに語り継がれていけば、キダ先生にもきっと喜んでいただけると思います。
関西が誇る偉大な作曲家のご冥福をお祈りいたします。
(KYな人)
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2024年05月15日
動物専門員の日常#10 カピバラ“アサヒ”の体重測定
“アサヒ”・“キリン”・“エビス”
2017年10月18日に王子動物園で誕生したカピバラの名前です。
当時、担当していた飼育員はお酒が大好きでビールシリーズで命名したらしいとか。
カピバラなのに“キリン”と名付けたことが当時、話題になったらしいとか。
担当になると今までの話をたくさん聞きます。
今日はその中のカピバラ“アサヒ”の話です。
さて、みなさん。カピバラ舎の奥のスペースに、“アサヒ”が暮らしているのをご存じでしょうか?
“アサヒ”は“チャーシュー”・“メンマ”と姉妹にあたるのですが、闘争が起こりお互いのパワーバランスが崩れたため、数年前より奥のスペースで単独飼育をしています。
“アサヒ”にとっても健康管理を進める上で体重を定期的に測定をすることは大切なことです。
しかし、“アサヒ”は飼育員泣かせの一面があります。
それは、性格がスーパーウルトラ繊細なのです (´;ω;`)ウッ…
飼育員が2~3m近くを通っただけでも、ひゅるっ~~~と逃げていきます。
暖かい季節になり、最近は展示場にトカゲがよく現れるようになったのですが、
そのトカゲの動きにびっくりして飛び跳ねていました。
(驚くポイントはそんな所にもあるのね・・・と私も驚きました(´・ω・))
初対面のときに、これは手強いぞ~と感じていたのですが、こちらもただ黙って見ているわけにはいきません。
粘り強く、体重測定のためのハズバンダリートレーニングに取り組むことにしました。
まずは、体重計に載せるオレンジ色の板に慣れてもらうこと(脱感作)からです。
“アサヒ”のスペースに早速、置いてみました。
ゆっくりと音を立てないように慎重にオレンジ色の板を置いてみたのですが
見知らぬものがあることに気づき、その場所を警戒して距離をとるようになりました。
慎重派の“アサヒ”らしい反応です。
負荷をかけすぎることなく、警戒心を解くために、最初は数時間、その次に半日、最後に1日中設置というステップを少しずつ進めていました。
その間、オレンジの板を覆い隠すように竹を置いてみたり(/・ω・)/
青草をまんべんなく、広げてみたり(-ω-)/
大好物のブドウを置いてみたり(´・ω・`)
少しずつ少しずつ、“アサヒ”の生活にこのオレンジ色の板の存在を慣らしていきました。
そんな日々が続いていたとき、急にオレンジの板の上に前肢を乗せて青草を食べてくれるようになりました。
とっても嬉しかったです。
喜びも束の間。
両前肢を乗せて食べてくれる所までは着実に進んだのですが
それから先の“後ろ肢を乗せ、完全に台の上に乗る”というステップの兆しが一向に見えず、
ここから、さらに時間がかかりました。
(見知らぬものの上に乗るのってそりゃ、怖いですよね・・・。)
その後、やっと(;_;)/~~~
“アサヒ”がオレンジ色の板に完全に乗って青草を食べてくれるようになりました。ここまで辿り着くのに約2か月かかりました。
“チャーシュー”、“メンマ”と同じように、“ハンドサインで体重計への乗り降りができたらいいのですが、“アサヒ”の繊細な性格や年齢、飼育管理の優先順位を考えるとまず必要なことは今の体重を知ることです。
そこで、こっそりとオレンジ色の板の下に体重計を入れ
いつも通り青草を置き、測定をしてみました。
「乗ってくれるかな・・・、どうかな~」とドキドキしていたのですが、
無事に乗ることができました(`・ω・´)ゞ
体重は48.1kg(5月地点)
餌量や投薬の調整に活かしていきたいです。
“アサヒ” よく頑張りました。
ありがとう。
動物専門員 あお
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2024年05月05日
たんたんさんとの思い出2
現在、園の公式X(旧Twitter)では『#たんたんさんとの思い出』を不定期でポストさせていただいており、撮り貯めた写真や、動画を見返しながら僕自身も、たんたんさんとの思い出を色々と振り返っています。
そしてその中で、久しぶりに2000年のたんたんさんが来園した当時の飼育日誌を読み返してみました。その当時、当然ですが僕は担当ではなく、まだまだ駆け出しの飼育係でした。
その頃の僕は「ジャイアントパンダを担当出来るなんて、大ベテランの飼育係だけだろうし、担当出来るなんて凄いな~」と、自分にはまだ関係のない話だとある意味他人事の様に思っていましたが、まさかその8年後に自分がジャイアントパンダの担当になるなんて、夢にも思っていませんでした。
そこから最後まで担当するなんて、人生何が起こるのか分かりませんね。
さて、話が少し脱線してしまいましたが(笑)、その飼育日誌を読んでいると、フフッと思わず笑ってしまったのが、たんたんさんが雨が苦手な事と、餌に対してとても神経質だと書かれていた事です。
コウコウは食べるのに、タンタンは食べないとか、雨が降るとすぐに部屋に帰る、外に出たがらない等...
たんたんさんは来園当時から、たんたんさんなんだな~と日誌を読んでいて、思わず笑ってしまいました。
僕が知らない頃のたんたんさんを知れたのはとても良かったし、これもまた、たんたんさんとの思い出の一つになりました。うめもと りょうじ
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