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最新ニュース

  • 2024年04月27日

    六甲山の自然 10 ニホンヒキガエルの卵

    昨年「六甲山の自然1」でニホンヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)と幼体(子ガエル)を報告しました。
    今年の2月29日に同じ場所へ行ってみたところヒキガエルの卵塊を3か所で見ることができました。
    3か所の卵塊すべてが水中に没した木の枝に巻き付くように産み付けられていました。大きな卵塊だと5m以上になると言われています。今回見つけた卵塊は、大きいものでも長さ約2mでした。

    卵塊1

     

    卵塊2

     

    卵塊3

     

    写真4 拡大

    写真を拡大すると、卵塊は紐状で木の枝に巻き付けているのがよくわかります。 

    写真5 さらに拡大

     

    さらに拡大すると黒い卵の周りが紐状のゼリー層に覆われているのがわかります。
    このゼリー層は受精のために必要であり、物理的な衝撃やバクテリアの侵入、乾燥から卵を保護していると報告されています。
    今回卵塊を見つけた池には鯉やブラックバス、ヘビ類、鳥類などカエルを捕食する生物を確認しています。池の周辺の林や小川ではタゴガエルやニホンアカガエル、モリアオガエルを確認していますが、この池での産卵はありません。唯一ヒキガエルだけが繁殖しています。
    このような池でヒキガエルが繁殖できる要因としては、ヒキガエルは幼生、成体ともに毒成分を持っており捕食者が忌避するからだと考えられます。
    4月になったのでそろそろ沢山のオタマジャクシに会えると思います。