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2024年02月29日
災害を乗り越える
2024(令和6)年は、とても衝撃的で悲しい幕開けとなりました。
元日の午後4時過ぎに、のどかなお正月を迎えていた能登半島を最大震度7の大地震が襲いました。神戸市内でもそれなりの揺れを感じたほどでした。その後の被害状況は連日のように報道されていますので、詳しくは記しませんが、人的被害、物的被害は計り知れず、いまだ被害の全容が明らかになっていないと言われています。
そんな中、人や家屋だけでなく、動物も危険にさらされています。石川県七尾市の「のとじま水族館」も甚大な被害を受け、水槽や設備が壊れ、国内の他の園館への避難を余儀なくされ、それ以上に残念なことには、貴重なジンベイザメが死亡するなど、本当に胸が痛みます。
くしくも、王子動物園がある神戸は29年前の1995(平成7)年1月17日に阪神淡路大震災を経験し、王子動物園自体も被害を受けました。しばらくの閉園はやむをえませんでしたが、幸いにして園職員や動物が犠牲になることはなく、獣舎や設備にも大きな損傷はなかったと聞いています。その際にも、近隣の園館を中心に人的、物的な手厚い支援や激励を受けて、被災者でもある職員一同必死に復旧に取り組み、3月23日に何とか再開できました。その当時の関係各位からいただいた多大なご支援には今でも感謝しており、今回はのとじま水族館をはじめとする能登半島の復旧・復興に対して、神戸市、王子動物園として少しでも恩返しをする番だと、各方面で取り組んでいるところです。
のとじま水族館は今のところ再開のめどが立っていないと聞いており、復旧への支援として、見舞金やクラウドファンディングの募集が始まっていますので、関心を持っていただければ幸いです。
のとじま水族館や、日本動物園水族館協会(JAZA)のホームページからアクセスできます。また、王子動物園内でも募金箱を設置し、ご協力を呼び掛けています。
被害を受けた能登半島周辺地域と被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興をお祈りするとともに、災害被害から動物たちを守り、のとじま水族館が少しでも早く再開できるよう、協力の輪が広がることを願います。
〇日本動物園水族館協会(JAZA)によるのとじま水族館への支援について
https://www.jaza.jp/storage/jaza-news/Qn8ck8jv2V9RtA2bk6wNk7jvW9CjYOZb4Ui9bZkU.pdf
〇のとじま水族館ホームページ
(KYな人)
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2024年02月28日
ZiZi通信 No.90 補修中に草原を見た....
先日もゾウ舎オスゾウ「マック」の運動場に出る飼育係用の扉が、ガタついてきたので取替え補修しました。
まあ、築70年ですから あちこちガタつきます。
補修時、メスゾウ「ズゼ」が柵越しにいたので、私が業者さんに付いての補修でした。。
その時、朝日がバックにあったので 草原が見えたんです。
ほらね!
ズゼの背中と頭でした。
無事 扉の取換え補修が終了しました。
代わり映えしませんが、新しくなってるんです。
ZiZi1号
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2024年02月20日
コバタンの死亡に寄せて
朝の早い時間は寒さが厳しい三寒四温の日々ですが、芽吹く若葉に春を感じてきました。
新しい芽が生まれる中、先日2024年2月10日コバタン(オス・40歳以上)が亡くなりました。
1983年に来園してから長い間、王子動物園で過ごしてきた40歳を超える長寿のインコでした。大きな目をまん丸にし、来園者の動きに合わせて反応する姿が微笑ましく、小さな身体を左右に揺らしながら「キィキィ」と鳴く声がかわいい人気者でした。
寒さに弱いため近頃は暖かい温室で過ごしていました。少し元気がない中でも大好きな落花生や
パンをカリカリと器用にくちばしと足指を使い、美味しそうに食べていた姿を思い出します。コバタンのいた部屋に行くと、コバタンと過ごした日々の思い出があふれてきます。
しかし、私たち飼育員は下を向いてばかりはいられません。
時には涙を心の中にこぼしながら彼等との素敵な思い出を胸に刻みつつ、一日でも長く動物たちと関わっていきたいと思う春の日でした。これまで可愛がっていただいたお客様に感謝するとともに、コバタンに、「長い間ありがとう、お疲れ様」と伝えたいです。
メス(左)と仲良く寄り添うコバタン(右:オス)
器用に食べる姿がかわいらしい
春はまたやってくる
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2024年02月06日
ヒワコンゴウインコ「ヨモギ」の死亡に寄せて
2024年1月31日、ヒワコンゴウインコの「ヨモギ」(オス、40歳)が亡くなりました。
最近、足腰と少し体調にも心配なところがあり、暖かい部屋ですごしていましたが当日朝まで元気な姿を確認し、食欲も旺盛だったため、突然のことに担当者も驚きを隠せません。
その後、死因について調査したところ腸炎が推定されました。ヨモギは、王子動物園生まれの国内最高齢の40歳でした。
メスの「ヒワコ」と仲睦まじい姿を見せてくれることもあり、可愛い素振りは年齢よりも幼く見えインコ舎の人気者でした。
動物園の入園ゲートをくぐる前から聞こえるよく通る大きな声の持ち主で、これからヨモギのその声が聞けなくなるのが寂しくてなりません。
今まで、可愛がってくださった方々にお礼を申し上げるとともに、ヨモギに「長い間ありがとう、お疲れ様。」と伝えたいです。ヨモギ
左:ヨモギ、右:ヒワコ
担当者
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2024年02月05日
資料館レポ №28 図書室 干支展関連展示
動物科学資料館で行っている『干支展「辰」~龍とむかしばなしの動物たち~』の関連展示として、図書室では一般室で『龍と伝承動物たち』、子ども図書室で『干支のおはなしとむかしばなし』をひっそり開催しております。
さて、今回の干支展を開催するにあたって、自分たちの知っている昔話の内容について話す機会があったのですが、それぞれ微妙に違っているのがおもしろかったです。
同世代間でも、『サルかに合戦』で「ウシのくそどん(ウシのフン)」が出てきたり、出てこなかったり、『桃太郎』の結末は、50代以上は「鬼を退治して、鬼がさしだした宝物をもって、おじいさんとおばあさんのもとに帰りましたさ。」だったのが、若い世代が聞いたのは「桃太郎は鬼と仲直りして、仲良く暮らしましたとさ。」だったとか、いろいろなパターンがありました。
あまり汚いのはよろしくないとか、残酷なのは精神衛生上よくないというのがあるのかな…と思いつつ、もともとは口承文学(口伝えの文学)、囲炉裏端やこたつや、はたまた添い寝する布団の中で、自分の聞き知った話を子どもに聞かせたものなので、柔軟なものなのかもしれないなと感じました。(賛否両論あると思いますが…)ともかく、龍や人魚やゴジラ(伝承動物???)が紹介された興味深い本や、懐かしい昔話の絵本を手にとっていただけたらうれしいです。
図書 丸代
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