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2024年11月03日
動物専門員の日常#14 動物の体重をはかる集い~想定外だったシロフクロウの大きさ~
みなさん、こんにちは。最近、何か想定外の出来事はありましたか?
SNSや生成AIが私たちの日常に溶け込んできて、実際に体験をしなくてもいろいろな情報を簡単に手に入れられるようになりましたよね。何か知りたいことがあれば、すぐに答えにたどり着けるし、物事の予測もしやすくなったと感じることもあります。
でも、飼育業務はそんなデジタルの便利さとは違うような気がします。
動物たちのことを深く理解するには実際に関わり、観察することが欠かせません。
私は最近、想定外だと感じることがたくさんありました。
今回は、王子動物園で開催される“動物の体重をはかる集い”にちなみ、
その内の1つであるシロフクロウのヒナの大きさを紹介したいと思います。
屋外展示場にて、シロフクロウのオスを1羽、メスを2羽飼育しています。
今年の6月にメスの1羽が6つの卵を産卵し、6月下旬にはそのうち5羽が孵化し、現在は4羽が成長しています。
▼7月初旬
▼9月下旬
シロフクロウファミリーの子育てや屋外展示場における暑さ対策、今後のヒナについてはボリュームたっぷりな内容になってしまうのでどこかの機会でまた紹介をしますね。
さて、私にとって想定外の出来事。
それは“シロフクロウのヒナの大きさ”です。シロフクロウを含むフクロウ類は同じ巣で産まれた兄弟でも体の大きさに著しい差が見られることが知られています。ある時期に数日おきに卵を産むのですが、フクロウ類の母親は最初の卵を産むとすぐに温め始めるため、その一時期に産んだ卵のうち、最初の卵と最後の卵とでは、孵化する時期がかなり異なります。これは“非同時孵化(ひどうじふか)”と呼ばれ、確実に子孫を残すための戦略だと考えられています。
今回、誕生したヒナたちも体の大きさが全く、異なりました。
1号(最初に孵化した個体)と5号(最後に孵化した個体)の大きさの差は
パッと見、約4倍もあります!!(/・ω・)/
まさに、想定外!
餌が少なくなったときに初めに産まれたヒナが後から産まれたヒナを食べてしまうこと(いわゆる兄弟殺し)があるとも言われており、実際に体の大きなヒナが小さなヒナの上に乗りあげたり、突いたりしていた時期もありました。野生のシロフクロウの生き残りの厳しさを垣間見たような気がしました。
▼7月初旬の様子
また、この時のヒナの成長スピードは、めちゃくちゃ速かったです。
休み明けにシロフクロウ舎でヒナを確認をするたびに、来る日も来る日も驚いていました。
ほんと、想定外!
それもそのはず、一生の間で最も攻撃に弱いこの時期をヒナたちは短時間のうちに通り過ぎないといけません。ただただ食べて、眠り、大きくなることを繰り返していました。
▼腹ばいになって寝るヒナ
▼ふわふわの綿羽で覆われたヒナ
さて、11月現在、綿羽は生え変わり成鳥のシロフクロウと同程度の大きさにまで成長しています。
最近、取り組みを強化しているのはハズバンダリートレーニングを利用した体重測定です。捕まえて体重を無理やり図ることもできるのですが、できるだけ負担をかけずに行うために、ヒナたちに協力してもらいながら体重を測定しています。
▼体重測定の様子
一見、簡単に乗っているように見えるのですが、シロフクロウにとって体重計は未知の物体です。恐怖心を植え付けないように少しずつじっくりと時間をかけて慣らしていくことが大切です。ただただひたすら、辛抱強く待ちます。
ヒナ全羽への体重測定のためのハズバンダリートレーニングは、
実はまだ、未完成の状態です。
すぐに体重を測れるヒナもいたら、体重計を警戒し全く近づいてもきてくれないヒナもいます。個性はそれぞれだな~と感じながら、取り組んでいます。
なので、体重測定をしている様子を見かけたらそっと見守ってくれると嬉しいです。
(※ヒナの個体識別のために、羽根の一部に食紅を付けています。)
動物専門員 あお
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2024年10月16日
気分は新人飼育員⁈
この6月からジャイアントパンダからゾウと円形猛獣舎に担当が変わる事になりました。担当動物が変われば当然ですが、今までの作業内容も変わる訳で、16年間ジャイアントパンダの担当をしていたので他の動物なんて久々すぎて忘れていましたが、20年以上飼育をしてきても、新しい担当になれば新人さんと同じでまた一から覚えていかないといけないんだなと改めて思わされました。
覚えなければいけないと言うのは、作業であったり、新しい担当動物の餌や生態などであったり、担当動物、相方さんや班の人とのコミュニケーションであったり色々な事をまた一からスタートすると言う事なんですが、大変な反面、新たに担当動物が変わると言うのもまた楽しいものです。
最初は新しい環境や作業についていくのがやっとでしたが、最近は少し落ち着きやっと担当動物達をゆっくり見る余裕が出てきたなと思っています。
その中で最近はゾウの馴致(ハズバンダリトレーニング)のお手伝いを少しずつさせてもらっていますが、やっぱり動物との信頼関係を作っていかないと難しいものだなとこちらも改めて感じています。
ジャイアントパンダの「タンタン」とは16年一緒に過ごしてきたので、同じ馴致でもかなり言う事を聞いてくれていたのですが、まだたかだか4か月程度の関係では当然タンタンほどの信頼関係など築ける訳もなく、僕が指示を出しても中々聞いてくれないのが今の現状です。
まぁ、これは他の先輩達と比べれば当然の事なのでまた新しい担当動物達ともこれからゆっくり時間をかけて信頼関係を築いていければと思っています。
当園ではゾウの馴致を11:30、14:30と行っています。
(*動物の状態によって変更する事もあります。)
と言う事なのでもし当園に遊びに来られた時に、僕が馴致を行っているのを見かける事があって、ゾウが中々言う事を聞いていなくても温かい目で見守って頂けるとありがたいです(笑)
うめもと りょうじ
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2024年10月09日
50-50
毎日ニュースなどのメディアでにぎわせているメジャーリーガーの「大谷翔平」さん。
本塁打と盗塁の同時記録で史上初の「50-50(フィフティ、フィフティ)」を達成しても、さらに記録を更新し続けて私たちにたくさんの元気を与えてくれています。
そこで今回、
「大谷翔平」さんにあやかって動物園の動物たちにも「50」という数字に関係するものはないかと考えてみました。
年齢で「50」才、動物たちではかなりの高齢で…
じゃあ身長や体重は⁉
赤ちゃんが生まれるまでの妊娠期間や、鳥などの卵が孵化するまでの抱卵期間は⁉
う~ん、などと頭をひねっていると…
あっ!ありました!
びろ~んと長いキリンの舌
なんと50㎝もありました!
さらに、野生のキリンが自然の中で走るスピードは時速でなんと50km/hになるとのこと!
すごい!キリン「50-50」を達成です!
…などとバカげた話しですみません。
でも、動物たちの素晴らしい能力や、特徴のある体のしくみなどを調べてみたり、色々と考えてみたりすると案外おもしろくて、楽しいものですよ。
みなさんにもぜひおすすめします。
普段と違った見方でさらに動物たちへの興味が増してくれるとすごくうれしいです!
ぶろぐのぐ
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2024年10月08日
ふれあい広場のカピバラ3兄弟のお話
みなさん、こんにちは。
ふれあい広場で生活する動物達の飼育担当者です。
最近、来園者の皆様からパピコについて「心配」だというお声をたくさんいただきます。
今回はパピコを含め、多くの方に愛され、応援してもらったモナカとソウについても少しお話したいと思っています。
本当は、Xに掲載しようと思っていたのですが、どうしても140字にまとめられず
ブログに、想いを書くことにしました。
長くなりますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
ふれあい広場には、強くてリーダー的存在のソウ(オス)・寂しがり屋で甘えん坊のモナカ(オス)・おっとりした性格でマイペースなパピコ(メス)の三つ子のカピバラが生活していました。
この3頭は2018年に生まれ、母親が産後すぐに亡くなってしまったので、人工哺育で育ち、様々な試練も3頭で乗り越えてきました。
(幼少期の3頭)
(2023年の3頭 左:パピコ 中:ソウ 右:モナカ)
夕方の収容時間に1頭が散歩に出かける素振りを見せると他の2頭も揃ってぞろぞろと付いていき、3頭でお散歩に行ったり、誰か1頭が体調を崩したときには、不安にならないように3頭一緒にバックヤードで大事を取ったり…
生まれてから片時も離れることなくどんな時も3頭一緒に挑戦し過ごしてきました。
モナカが、パピコにちょっかいをかけるとソウがモナカを止めたり、寂しがり屋のモナカが呼び鳴きをすると離れて歩くパピコが止まって待っていてあげたりと、リーダーのソウを先頭に3頭は仲良く過ごしていました。
(左:ソウ 右:モナカ)
(3頭で散歩している風景)
昨年(2023年)の2月12日にソウのソケイ部(内股部)にできた内科的処置が困難な重度の膿瘍を摘出するため長時間の手術を行いました。
とても重度で困難な手術でしたが、無事ふれあい広場に帰ってきてくれました。
耳に留置針を固定し、夜間も点滴を流しながら獣医師と担当者が見守りました。
ソウが口をモグモグしはじめたので、ソウが好きな物をペースト状にし、シリンジで口元にもっていくとしっかりと食べてくれました。
回復に向かっていましたが、14日に急性膵炎により、ソウ(♂4歳)が亡くなりました。
※ソウに関する詳しい内容は王子動物園のスタッフブログに記載しています
(お昼寝中のソウ)
いつも、先頭を歩いてくれる「ソウ」というリーダーを失い、2頭にまとまりがなくなりました。いつもの道なのにバラバラな方向へ向かったり、食欲が低下したりと、リーダー的存在のソウとの急な別れに、2頭は戸惑っているように見えました。
(先頭:ソウ 左:パピコ 右:モナカ)
(収容待ちの3頭)
ソウとの別れの後、モナカ(♂)がパピコを引っ張っていくのかと思っていましたが、寂しがり屋で甘えん坊のモナカには務まらず・・・いつも、パピコの姿が見えなくなると呼び鳴きをし、探し回っていました。パピコ(♀)は相変わらずマイペースで、モナカの呼び鳴きには聞く耳も持たずでしたが、それでもなんだかんだ2頭で一緒に支え合いながら過ごしてきました。
ソウのいない生活に少しずつ慣れ、これもまた、2頭らしく良い関係性だと見守っていました。
(園内で取れた柿をほおばる 左:パピコ 右:モナカ)
(ふれあい広場で収穫したニンジンをほおばる 右:モナカ 左:パピコ)
2024年8月10日
元気はあるものの、日によってエサの残しが少し目立つようになり、連日続く猛暑の影響かと考えました。主食の牧草、青草や笹などに加えて、野菜、果物、ペレットなど普段よりもバリエーションを増やしながら食欲増加を狙いました。
また、体に異常がないか調べるために、採血を行い血液を院内検査の他に、さらに詳しく調べる外部検査機関に提出し、結果を待つことにしました。
8月24日
この日の朝も、池につかっているモナカにあいさつを交わし
置き餌は食べないのに、甘えて手からだと食べてくれるモナカに、好物のリンゴとブドウを与え、「キャベツも食べる?」と声を掛けながらキャベツを与えるとそれも食べてくれて、健康チェックのため身体を触り、健康チェックに協力してくれたお礼にモナカの好きなお尻周りをモサモサ触って…そんな何気ない朝でした。
(モナカの身体にできものができていないか、傷がないか等チェックしている様子)※過去の写真です
お昼ごろから、モナカの様子がいつもと何か違うと感じ、すぐに獣医師に来てもらい、点滴をしながら様子を見ることになりました。
警戒心の強いモナカは普段バックヤードに入ってくる事のない獣医師が入ってくると、パピコも近くにいてくれましたがやはりいつもと違う光景に不安がっていました。
どうにか落ち着いてもらおうと担当者が思い付いたのが、モナカは子供の頃から口で何かを吸うと安心するようで、よくパピコやソウの毛をチュウチュウと吸っていたことを思い出しました。モナカの口元にタオルをもっていくと、口でチュウチュウとタオルを吸い、落ち着いてくれました。
一緒にいるパピコにも落ち着いて過ごしてもらえるように、担当者はパピコにもモナカにも声をかけ、身体を擦りそばにいました。
スタッフの足の間に座るパピコ
しかし、モナカとの別れは突然やってきました。
2024年8月24日モナカが亡くなりました。急性リンパ性白血病でした。
(昼寝をするモナカ)
この仕事をしていると、担当動物との別れは何度も経験しますが慣れることはありません。
普段、呼び鳴きをするのはモナカで、その呼び鳴きにも答えずマイペースに我が道を歩むのがパピコだったのですが、ほとんど聞いたことのない呼び鳴きをパピコがするようになりました。
担当者の姿や、声が聞こえると柵越しに後を追ったり、姿が見えなくなると落ち着きなく動きながら呼び鳴きをしたり、モナカを失ったパピコには覇気がなく、いつもの何事にも動じないマイペースなパピコらしさが、ありませんでした。
そして、食べ物も自らはあまり食べないので、手から少しずつ食べさせました。
手から給餌すると、しっかりと食べてくれました。
パピコと過ごす時間をなるべく作り、パピコの心と体のケアをしっかりするように努めました。
(展示場で爆睡するパピコ)
しばらくの間、健康管理のために展示を中止していましたが、パピコの状態を見ながら、少しずつ1頭で外で過ごす練習をして、パピコが自ら展示場に入りエサを食べてくれて落ち着いた時間を過ごすようになってきたところで展示を再開しました。最初のころは、1頭で過ごすという事に戸惑っていましたが現在は少しずつではありますが、慣れてきたかと思います。
ですが今まで、3頭という小さな群れでコミュニケーションを取りながら生活してきた分、急に群れでのコミュニケーションがなくなり、パピコ自身戸惑いを感じているのかと思う事が担当者としてあります。
1頭で過ごすという環境に完全に慣れるまでは、コミュニケーションの一環として、担当者が体を触る・撫でる・そばにいる、というスキンシップ(健康管理もかねて)を、とっているところをご覧になる場合があるかもしれませんが、決して可愛いからと言う理由ではなく、今の環境に少しでも早く慣れてもらえるようにパピコのペースに合わせて心のケアを行っているからです。
これからも担当者としてパピコの心と体の健康維持に努めたいと考えています。
残されたパピコを思い、ご心配の声をたくさんいただきますが、パピコなりのペースで過ごしてくれています。
パピコは、3頭の中でも特にハズバンダリートレーニングに協力してくれていて、体温測定や採血、エコー撮影、レントゲン撮影など頑張ってできるようになりました。
引き続き、日々の健康チェックはもちろん、定期的な検査もしっかりと行っていきます。
今後ともぜひパピコに会いに来て下さいね!
(4頭揃っての最後の3ショット写真。左:ソウ 中心:パピコ 左:モナカ)
最後に、パピコとモナカとソウの生い立ちを動画にしてみたので、ご覧ください★
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2024年10月03日
王子動物園リニューアル、始動!
8月16日に、王子動物園リニューアルの一環で「アフリカサバンナゾーン」及び「爬虫類館」の概要を発表しました。9月号の広報誌こうべには、王子公園ミニニュースとして掲載され、多くの方にご覧いただいたと思います。
王子動物園ではこれまで、同じ種類に属する動物を比較できる展示が中心で、一般的な展示方法なのですが、昨今、動物園や水族館では動物の自然な行動や生態を観察できる様々な展示方法の導入が進められています。言い方を変えると、動物が生き生きと過ごすことができる環境を創出することに重きを置くのが重要な視点になっています。いわゆる「動物ファースト」の概念です。
王子動物園は開園から73年が経過し、開園時から使用されているものをはじめ、老朽化した獣舎等の更新が必要であることに加え、このような動物を取り巻く情勢などにも対応していくため、これまでに市民やファンのみなさまから様々なご意見をいただきながら、「王子動物園リニューアル基本構想」と「王子公園再整備基本計画」を順次策定し、リニューアルに向けた準備を進めてきました。
その特色の一つが、新しい展示方法の導入です。今回整備する「アフリカサバンナゾーン」「爬虫類館」を含め、動物が生息する地域や気候風土との関連性などにより動物園内に9つのゾーンを設定し、それぞれのゾーンを巡りながら各地域に生息する動物を観覧しているように感じられる、ストーリー性のある観覧ルートの仕掛けとともに、各ゾーンごとに樹木などを活用して動物の生息環境をできる限り再現し、動物の自然な行動や暮らしぶりをあたかも現地で間近で見ているかのような展示にしていきたいと考えています。
その第1弾となる「アフリカサバンナゾーン」については、主に現在の北園で展示しているキリンやシマウマ、カバなど、アフリカのサバンナに生息する動物を新たに展示するゾーンとして整備します。ここでは、生息地域に近い環境で暮らす複数の動物を見通せる「通景」という手法で、臨場感のある演出を行うとともに、おすすめの観覧スポットを整備します。また、「爬虫類館」は、現在の「太陽の動物舎」の後を受けて、世界の爬虫類を生息地域別に展示し、様々な爬虫類が生息する多様な環境を再現する施設とします。
また、動物福祉の向上も重要なテーマです。新設するそれぞれの獣舎や展示場については、動物本来の能力や行動を引き出すしかけや、トレーニングに取り組みやすい設備の充実など飼育環境の向上、そして何よりも動物が快適に過ごせる環境整備を目指していきます。
このような方針の下、飼育員や獣医師をはじめ動物園のスタッフが日夜知恵をしぼり、関係者とともに設計作業をがんばっているところです。
新しい「アフリカサバンナゾーン」、「爬虫類館」は2027年夏頃にオープン予定です。
ここから生まれ変わっていく王子動物園に、ぜひご期待ください!
(サバンナゾーン・爬虫類館 基本設計の概要)
https://www.kobe-ojizoo.jp/img/renewal/savanna.pdf
KYな人
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2024年09月23日
アムールトラ「レーニャ」
レーニャは2017年にドイツで生まれて2019年に王子動物園に搬入されました。
ドイツでは牛肉以外にもヤギやヒツジの家畜も与えていたそうです。
レーニャは搬入当日輸送箱から直ぐに寝室に移り、そのまま寝はじめるという落ち着いた様子でした。次の日から馬肉も食べはじめました。
1ヶ月ほどたち放飼場の扉を開けると、5分ほどで出ていきました。人を見ると威嚇してきましたが、人がいなくなると落ち着いていました。
しかし寝室に収容しようとしても帰って来ませんでした。次の日入れようとしていた扉とは別の扉から収容することが出来ました。それ以来オス用として使うはずだった部屋をレーニャが使っています。
2019年の映像
2020年映像
最近のレーニャは忙しい様です。そのわけは隣りの獣舎にボブキャットのソラが来たからです。
いつもはのんびりしていることが多いレーニャですが、ソラを初めて放飼場に出したときは、13:00のショウヘイとの入れ替えの時にソラが気になり帰って来ませんでした。そのため一度ソラを寝室に収容することで諦めて帰ってきました。
一方のソラはあまりトラを気にしている感じはしません。
オスのショウヘイもレーニャほどソラに関心はないようです。
レーニャにとっては隠れたり忍び寄ったりと、いいエンリッチメントになっているようです。ちなみにソラは前担当者を見つけると寄って行きますが、私には寄って来ません。もう少しだけソラとの距離を縮めたいものです。
やん
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2024年09月11日
ただいま準備中
台風一過で、ほんの少し秋の気配が感じられるようになりました。
私達より敏感にそんな変化を生きものたちは感じているようで…。先日行われたトワイライトZOOの時に鳥たちの「換羽」についてお話しさせて
いただきました。
「換羽」とは鳥たちの羽が生え変わる現象をいい、人間の衣替えのようなもので
先日のトワイライトZOOでは主に繫殖シーズンを終え、「換羽」によって別人(鳥)
になった鳥たちを紹介し、その中でも水禽舎でひときわ目立つ存在のインドクジャク
について少しお話ししました。
水禽舎で暮らす鳥たちは「ひっそり」と衣替えを始めていてちょうどその頃、換羽の時期を
迎えたインドクジャク(雄)の飾り羽が抜け落ちていました。それから二十日間ほどかけてついに、長い長い飾り羽の最後の一本が抜け落ちました。
(ラストの一本が8/21に抜けた)
この飾り羽は、尾羽ではなく腰から生える“上尾筒―じょうびとう―”といい、長いもので
約140㎝(目玉模様ではないもの)重さ約2.5グラムととても軽く、数は約150本ほど。
クジャクはキジの仲間で脚も立派で力強く、雄には蹴爪もあり長い上尾筒を持ち上げ尾羽
で支える力強い体はかなり筋肉質です。繫殖シーズンの春頃から夏の盛りのころに、その見事な羽を扇状に広げるディスプレイという
行動を見る事ができます。
主に雌への求愛行動のためですが…残念ながら王子にはクジャクの雌は今はいないのです。
しかし、春から夏にかけてインドクジャクの雄は水禽舎の仲間にむかって一生懸命その美しさ
を披露しているのです。相手は羽を大きく広げたクジャクの雄に追いかけられ少々戸惑っているように見えますが(笑)彼の本能のおもむくままにディスプレイをされます。
羽を広げるのはクジャクの気分次第、なのでいつどんなタイミングでどれくらいの頻度で
その姿に巡り合えるのかはわかりません。
水禽舎に来てくださった来園者の方が口々に「ほら、クジャクがいるよ。羽広げてくれないかな~」という声が聞こえてきますが、今のこの時期は残念ながら広げるための羽がないのです。
ですが秋ごろには次の新しい飾り羽が生え始めます。今はその大事な準備期間なのです。と言う事は…逆に今が身軽になって軽やかな足取りの雄クジャクの姿を見る事が出来る
“チャンス”なのです!水禽舎には様々な水鳥もいて、冬鳥の彼等は逆にこれからの季節、装い新たな姿に変身
していきます。「換羽期」を迎えまるで違う鳥のように見える鳥たちの素敵なファッション
ショーが始まる水禽舎の観察も楽しいですよ♪
まったりな水禽舎の日常。
~Nのさえずり~ -
2024年08月21日
夏の快適スポットご紹介!
【ぶろぐ】
毎年思うことですが…
今年の夏も厳しい暑さですね
動物園内にはミストシャワーも設置していますが、
連日「熱中症警戒アラート」が発令されている最近では、動物園で歩き回るのもなかなか過酷です。
青い空にモクモクとした入道雲が見えるとついつい涼しい場所を探してしまいます。
真夏であっても一日動物園を巡回している私が、時おり一時避難している「夏に必見!」の「とっておき快適スポット」を紹介したいと思います。
まずは「コアラ舎」。かわいいコアラに癒されながらゆっくりと。
「ホッキョクグマ舎」では去年の12月に北海道からやってきて、神戸の夏を初めて体験中の「ゆめ(2歳)」がプールで優雅に泳いでいる姿が見れるかも。
好奇心旺盛でやんちゃなカリフォルニアアシカの子どもたちがのびのび泳ぐ「アシカ舎」や、
チンパンジーやオランウータンのいる「類人猿舎(放養式動物舎)」では、ベンチに座って冷たい飲み物やアイスクリームを楽しむことができますよ。
そして最後は「動物科学資料館」。
休憩ホールではフンボルトペンギンのスピード感あふれる泳ぎが間近でゆっくり見ることができ、
常設展示室では「住む」「食べる」「育てる」などのテーマごとに、ジオラマや骨格標本、映像や模型、音響などで動物の特徴や体のしくみを楽しく紹介しています。
また学習コーナーでは絵本が読み放題のこども図書室や、専門書などが豊富に揃った図書閲覧室、動画も見られる情報コーナーもありますのでぜひ楽しんでみて下さいね。
ぶろぐのぐ
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2024年08月18日
恋のシーズンの終わり
先月(7/26)孵化予定だったベニイロフラミンゴの卵は孵化することなく、回収しました。
発生をしている様子もなく、今年は6/2と7/4に2羽のヒナが孵化して元気に成長をしています。
ヒナが巣立った後の島は、毎年のことですがさみしく感じます。。
▼フラミンゴ産卵場所
この島から、過去何百羽のヒナが巣立ちました。
40年以上、途切れることなく孵化しているようです。
その島に昨年、孵化したと思われる個体が1羽で立っていました。
まだ性成熟には達していないと思われますが、数年後には
ここでヒナを育ててくれるのでしょうか?
楽しみです。
まーくん
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2024年08月14日
マックの思い出
前回はズゼについて書いたので、今回はマックについて書いてみたいと思います。
マックがスイスのクニーキンダー動物園から来たのは1995年3月、まだ2才の時でした。第一印象はやたら毛深い子象だと思いました。子象と言っても背の高さが180cm,
体重は1200Kgありました。マックのお父さんもヨーロッパでは1,2を争う大きな体だったようです。ちなみにこのお父さんには12頭の子供がいるそうです。
マックにはロンドン動物園で象のトレーナーをしていたジョンさんが同行してくれました。その後10日間、私たちにマックの扱い方を教えてくれました。座ったり、伏せたりは直ぐに出来たので、すでにトレーニングされていたようでした。今は出来ませんが、小さな頃は横に寝かせる事も教えました。マックが来た初日は、隣にいた諏訪子(1943~2008)に鼻で叩かれたり、藁を投げつけられたりしていましたが、直ぐに鼻どうしのあいさつが見られるようになりました。
初めはスキンシップのため、みんなでマックと押し合いをしたり、懐かしい思い出です。
私も顔を覚えてもらおうと、昼食を食べた後は寝室の前の通路に座り込み、少しでも一緒にいる時間を作っていました。
マックは立てた丸太に乗って遊ぶのが好きで、放飼場の端の三角のコンクリートにも乗り始めました。尖った先に上がり、両前足と後ろ足一本でバランスを取っていたら、モートに落ちたこともありました。また1996年にズゼが来て、10日ほどでマウントを繰り返すほどズゼのことが気にいったみたいです。
そんな思い出が吹き飛ぶほど、マックは大きくたくましい雄になりました。一時期よりは大人しくなりましたが、飼育係は鼻の届くところより近寄れないので治療など難しいところもあります。飼育係の安全を確保した上で、出来る限りのコミュニケーションをとり、少しでも居心地のいい環境を作り、飼育していきたいと思います。
やん
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