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2023年06月13日
六甲山の自然 1 六甲山のカエル
王子動物園は六甲山の麓にあり、園内からも六甲山を眺めることができます。そんな六甲山にどんな自然や生き物たちがいるのか、不定期ですが「六甲山の自然」と題して、山を歩いて出会った生き物たちを紹介していこうと思います。環境保全の観点から詳細な場所は明記しない場合があります。
今回は、4月中旬から5月中旬に見られたカエルについてお話します
ニホンヒキガエルBufo japonicus japonicus
本州の近畿以西、四国、九州などに分布
Cランク(神戸版レッドリスト2020)
Cランクとは、神戸市内において存続基盤が脆弱な種。極力、生息・生育環境、自生地などの保全が必要な種
六甲山のとある池の周囲の浅瀬が黒いものに囲まれていました
黒い塊が小さく動いているので、ハイカーから「なにこれ?」って声が聞こえました。密集しているのでオタマジャクシに見えなかったようです。
さらに近寄り、よく見ると小さなオタマジャクシであることがわかります
1か月後に同じ池に訪れると、オタマジャクシはいなくなり、小さな幼体が池の周りの陸地で見つかりました。
このように、春になると六甲山のいくつもの池でヒキガエルのオタマジャクシを見ることができます。池の外周が真っ黒になるくらいに見られます。このオタマジャクシから大人のヒキガエルになれるのは1万匹に1匹ぐらいと言われているので、もし見つけても捕まえずに見守ってあげてくださいね。
タゴガエル Rana tagoi tagoi
本州、四国、九州に分布
Cランク(神戸版レッドリスト2020)
Cランクとは、神戸市内において存続基盤が脆弱な種。極力、生息・生育環境、自生地などの保全が必要な種
和名と学名は採取者である両生類学者の田子勝弥氏の名前がつけられています。
水の少ない細い川沿いの登山道でタゴガエルに出会いました。
赤茶色の綺麗なカエルです。
六甲山では5月頃が繁殖期となります。川沿いを歩いているとあちらこちらから鳴き声が聞こえてきます。産卵場所は川沿いの岩の隙間や、土にできた穴の中などです。鳴き声は聞こえても姿を見られることは少ないカエルです。
タゴガエルの生息環境
鳴き声が聞こえた土の壁に開いた穴。このようなところや岩の隙間などで産卵します。
雨で穴から流れ出た卵
産卵は30~160個の卵を産むと言われています。孵化したオタマジャクシは、餌を食べずに卵黄の栄養だけで成長してカエルになると言われています。
今度、六甲山に行ったときには、この卵から成長したカエルに出会えたらいいなと思っています。
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