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最新ニュース

  • 2023年06月21日

    梅雨に入って

    梅雨(つゆ)ですねぇ。ジメジメして気持ちも重たくなりがちですが、つぼみだったアジサイもきれいにたくさん咲き始めていますから季節を感じながら過ごしましょうか。

    なんて思っていたら…

    いつのまにかイチョウの木に実がついていました。秋はまだまだ先なのに。

    ビワの木にも実が。こちらはきれいなオレンジ色に。食べごろですか⁉

    動物園を歩いていると季節の移りかわりをすごく感じます。

     

    IMG_0676                 IMG_0687

    IMG_0681                 IMG_0685 

     

    さて、動物園では昨年12月に「王子動物園リニューアル基本構想」を発表しましたが、その基本構想については5月28日から7月23日にかけて合計4回、市民のみなさんに集まってもらってワークショップを行っているところです。

    アイデアやご提案は6月25日頃まで募集していますので動物園のホームページをご覧ください。

     

    先日は大阪の天王寺でアメリカ、元野生生物保全協会の展示グラフィックデザイナーの方の講演会があって参加してきましたが、すごく良いものを作り上げるためには多くの分野の専門家たちが議論を繰り返し、それに費やす多大な時間が必要だと痛感しました。

    王子動物園ではリニューアル基本計画を策定するために、動物園の飼育スタッフ・獣医スタッフたちも毎週集まって議論を重ねています。

    これからも動物たちのためになる動物園、そしてみなさんがご覧になって魅力的だと感じてもらえる動物園を実現できるように目指していきます。

     

    ぶろぐのぐ

  • 2023年06月13日

    六甲山の自然 1 六甲山のカエル

    王子動物園は六甲山の麓にあり、園内からも六甲山を眺めることができます。そんな六甲山にどんな自然や生き物たちがいるのか、不定期ですが「六甲山の自然」と題して、山を歩いて出会った生き物たちを紹介していこうと思います。環境保全の観点から詳細な場所は明記しない場合があります。

    今回は、4月中旬から5月中旬に見られたカエルについてお話します 

     

    ニホンヒキガエルBufo japonicus japonicus 

    本州の近畿以西、四国、九州などに分布

    Cランク(神戸版レッドリスト2020)

    Cランクとは、神戸市内において存続基盤が脆弱な種。極力、生息・生育環境、自生地などの保全が必要な種

    ヒキガエル1

     

    六甲山のとある池の周囲の浅瀬が黒いものに囲まれていました

    ヒキガエル2

     

     

    黒い塊が小さく動いているので、ハイカーから「なにこれ?」って声が聞こえました。密集しているのでオタマジャクシに見えなかったようです。

     ヒキガエル3

    さらに近寄り、よく見ると小さなオタマジャクシであることがわかります

     ヒキガエル幼体

     

     

    1か月後に同じ池に訪れると、オタマジャクシはいなくなり、小さな幼体が池の周りの陸地で見つかりました。

    このように、春になると六甲山のいくつもの池でヒキガエルのオタマジャクシを見ることができます。池の外周が真っ黒になるくらいに見られます。このオタマジャクシから大人のヒキガエルになれるのは1万匹に1匹ぐらいと言われているので、もし見つけても捕まえずに見守ってあげてくださいね。

    タゴガエル Rana tagoi tagoi

    本州、四国、九州に分布

    Cランク(神戸版レッドリスト2020)

    Cランクとは、神戸市内において存続基盤が脆弱な種。極力、生息・生育環境、自生地などの保全が必要な種

     

     

    和名と学名は採取者である両生類学者の田子勝弥氏の名前がつけられています。

    タゴガエル

     

    水の少ない細い川沿いの登山道でタゴガエルに出会いました。

    赤茶色の綺麗なカエルです。

    六甲山では5月頃が繁殖期となります。川沿いを歩いているとあちらこちらから鳴き声が聞こえてきます。産卵場所は川沿いの岩の隙間や、土にできた穴の中などです。鳴き声は聞こえても姿を見られることは少ないカエルです。

     タゴガエル 環境

     

    タゴガエルの生息環境

    タゴガエル 巣

     

    鳴き声が聞こえた土の壁に開いた穴。このようなところや岩の隙間などで産卵します。

    タゴガエル 卵

     

     

     

    雨で穴から流れ出た卵

    産卵は30~160個の卵を産むと言われています。孵化したオタマジャクシは、餌を食べずに卵黄の栄養だけで成長してカエルになると言われています。

    今度、六甲山に行ったときには、この卵から成長したカエルに出会えたらいいなと思っています。

     

     

     

  • 2023年06月10日

    動物園の技

    動物を大切に、幸せに、そして動物らしく暮らせるよう

    様々な工夫を行っており、

    今回は、その一端をご紹介させていただきます。

     

    枯葉や竹筒の中に隠れた餌を仕込んだり

     

     

    ツル

     

    クマ

     

    餌を吊り下げ式フィーダーに設置したり、

    キリン

     

    ゾウ

    運動場に櫓や氷雪装置を設けるなどにより、

    野生での生活環境を再現させたりしています。

    やぐら

     

    ホッキョググマ1

     

    時には、園内の朽ちた桜の切り株を与え、   

    蟻塚の蟻を食べる時と同様な行動を再現させながら、

    快適な暮らしを過ごしてもらえるようにしています。

    アリクイ

     

    このように、餌や道具、設備などを利用し、

    野生本来の行動の再現などにより、

    快適に暮らしてもらえる取り組みを

    「環境エンリッチメント」といいます。

    限られたスペースの動物園で暮らすうえでは、

    「環境エンリッチメント」は

    重要な取り組みの1つとなっています。

     

    これからも動物達を大切に、幸せに、

    動物らしく暮らせるよう、

    努めていきたいと考えております。

     BambooBush

  • 2023年06月04日

    もうひとつのテーマソング

    ゴールデンウイークも過ぎ、平日には学校の遠足で楽しそうな子供たちが多くみられるようになりました。先日は4年ぶりに王子公園内で「六甲ファミリーまつり」も開催され、新型コロナウイルス禍から日常を取り戻す営みがいよいよ本格化してきました。

     

    以前このブログで、王子動物園のテーマソングであるワタナベフラワーさんの「ずーっといっしょ」について書きました。ポップで親しみやすく、何といっても覚えやすい詩とメロディーで、4月からJ:COMケーブルテレビで放送が始まった「おうじどうぶつえんと ずーっといっしょ テレビ」のオープニングでももちろん流れています。

    番組に対してはご好評をいただいており、J:COMさん、ワタナベフラワーさんをはじめ、協賛企業のみなさまにも、この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。

    top1920_1080

     

    ところでみなさんは、もう一つ、王子動物園をテーマにした楽曲があるのをご存じですか?その名もズバリ、「王子動物園の唄」。

    あの「浪花のモーツアルト」、作曲家のキダ・タロー先生の作詞作曲なのです。偶然ですが、私は動物園の仕事につく前から、この楽曲の存在を知っていました!

    歌詞カードもないので、録音を聞いて歌詞を書き起こしてみると、こうです。

     

    したたる緑と浜風と やさしい人たちに包まれて ルルル

    今日も聞こえる 命と愛の唄

    今日も花咲く 王子動物園

     

    お前のふるさと遠い国 懐かし父母を夢に見て ルルル

    今日も歌おう 命と愛の唄

    世界に花咲け 王子動物園

     

    短いですが、素晴らしい詩だと思いませんか?遠くから来てくれた動物への慈しみにあふれ、また王子動物園ならではの風景が目に浮かびますね。

    昨年12月に公表した「王子動物園リニューアル基本構想」に掲げた「六甲の豊かな緑を感じ 動物と人がいきいきと過ごしながら 世界につながる動物園」というリニューアルに向けたコンセプトにも、この詩の思いが引き継がれている気がします。

    CDがあるようですので、機会があればこの曲もぜひ聞いていただきたいです。

     

    この楽曲ができた経緯や位置づけについては、動物園には資料などが残っていないようで、詳細が不明です。

    聞いた限りでは、どうもかなり昔にキダ先生が出演されていたラジオ番組の中で生まれた楽曲との説もありますが、どんないきさつだったのかもわかりません。

    キダ先生に直接聞きたいなぁ・・・という気もするのですが恐れ多いですね(笑)。

    ということで、この稿をご覧になった方、何かご存じでしたら、情報をお待ちしています。

    DJI_0007

     

    (KYな人)

  • 2023年06月01日

    チームタンタン日記(2)

    4月12日、すでに知っている方もいるかも知れませんが、ジャイアントパンダ館屋外展示場を囲うようにシートを設置しました。

    IMG_3148

    (シート設置前)

    IMG_3840

    (シート設置後)

     

    これは現在心臓疾患の治療中である旦旦の治療の一環として作られたものです。

     

    以前までは旦旦にあまり負担をかけないよう、休園日の水曜日のみ屋外展示場に出てもらい、休園日以外は通路でフェンス越しに日光浴をしながら過ごしてもらうようにしていました。

    IMG_5466

    (日光浴中のタンタン)

     

     

    やはり旦旦も屋内ばかりよりも屋外で過ごす方が気持ちが良いのか、屋外ではリラックスして過ごせているように思えたので囲いを作ってもらう事になりました。

     

    囲いが出来上がってからの数日は屋外展示場に出ても周りを見回したり、少し落ち着きがない様子も見られましたが、そこは順応力抜群の旦旦ですので(笑)

    すぐに環境にも慣れてくれて、以前と変わらない様子で過ごしてくれるようになってくれたので、とても安心しました。

     

     

    囲いを設置して約一か月経った現在は、天気の良い日はなるべく屋外に出て自由に過ごしてもらい、旦旦も楽しそうに日光浴や散歩を堪能してくれていますよ。

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    ただジャイアントパンダは暑さが苦手なのと旦旦の病気や年齢的な事もあり、屋外の温度には今まで以上に

    気をつけなければいけないので、夏までにはまた通路で過ごしてもらう事になると思います。

    気候がよい時期のうちに旦旦には少しでも今の生活を楽しんでもらいたいと思います。

     

    【現在、観覧は中止していますのでご了承ください。】

     

    うめもとりょうじ