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2023年03月21日
大胆に繊細に
先日のある昼下がり、ツル舎の前を通りかかると
『あれ?鶴太郎から水が滴ってる…?』
しばらく様子を見ていると、おもむろにツル舎の池の中でしゃがみ込み、バッシャバッシャと水浴びをはじめたではありませんか!
『え⁉ ツルって水浴びとかするの?』
『いやするか…鳥だし。初めて見た!』
それはそれはダイナック!な水浴び。
タンチョウヅルは約140㎝超の大型の鳥類。その彼が人目もはばからずに…。
動物たちは身体の汚れを落とす為や、虫などの寄生虫から身を守る等の目的のためにも水浴びをします。
初めて見る光景にしばらく見入ってしまいました。
彼が本当にすごいのはここからだった…。
さっぱり顔の「鶴太郎」。
大きな翼をバッサバッサからの…ブルブルブル~。
白く美しい輝きを取り戻した(?)鶴太郎。
今度はその白い羽根を嘴で整え、羽繕いをしながらオイルコーティングのメンテナンス。
尾の付け根にある“尾脂腺(びしせん)”※と呼ばれる部分から分泌される脂分を嘴や首などを上手に使って、さらに羽根一枚一枚に丁寧に、トリートメント。
そうすることで、羽根がそろい身体を守る役割にもなるのです。
時に体をブルブルと震わせ水分を飛ばし、また羽繕いしながらぬりぬり。
やがて、さらに磨きのかかったモフモフに。
この間、2時間半(もちろんずっと張り付いていたわけではありません(笑)。
まだまだ完璧ではないらしく、羽根と体のメンテナンスはその後も続いていた様子。
檻の中であれ外であれ、どの生物たちも生きていく上での必要事項は、その体の中のDNAに組み込まれているのですね。
※尾脂腺とは
鳥類がほぼ共通して持つ、尾の付け根(上部分)にある体の部分。
水辺にすむ鳥は特に発達しており、ここから出る脂分を嘴や首などを使い器用に身体全体に塗る。
これと、羽繕いで整えた羽根自体の構造によるダブル効果の撥水加工で水をはじいたり、体につく汚れや寄生虫などから身を守る。
『動物園の中でも外でも、様々な生き物たちの生きていく上での“日常”をいろんな角度から楽しみながら観察すると、面白い発見ができるかもしれませんね(^^♪。』
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