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2024年03月28日
資料館レポ №29 図書室に新しい本が入りました
先日、新しい本が、たくさん入りました。
その中から、気になる本を一冊ご紹介したいと思います。 『キリンのひづめ、ヒトの指 比べてわかる生き物の進化』( 郡司 芽久 著 NHK出版) です。
著者は、「キリン博士」とよばれる解剖学者です。その名のとおり、キリンを中心に研究をされています。前著「キリン解剖記」は話題になったので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
解剖や解剖や比較によって、進化の過程をつまびらかにしてく著者は、多種多様な体の構造を深く掘り下げ、多種多様に生きていく仕組みを、日々目にしています。 たとえば、ヒトにはしっかりある鎖骨が、多くの動物では退化してなくなっていること、文字どおり「手のひらを反す」ことができるのはヒトだけであることなどをあげて、ヒト自体がかなり「特殊な生き物」であり、「普通は…である」という「先入観にとらわれず、豊かな知識をもって正確に世界を見ていきたい」というのです。
著者がしっかりと生き物の体と向き合ったからこそ、もれでてくる言葉は、しっかりと私たちの心にも浸透していきます。 この本は「生きる仕組み(生態)を知ることは、生き方(心の持ち方)を知る」ことになるのだと教えてくれているようです。
エッセイを目指したというこの本では、生物学的な難しい言葉や言い回しは出てきません。
「学校の「生物」の授業、眠かった~ !」という人も大丈夫です。超文系人間の私がお薦めします ;-)
ぜひ、手に取ってご覧ください。
著者が初めて解剖したキリン(王子動物園のマサイキリン「夏子」)
図書 丸代
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2024年03月20日
ふれあい広場からのお知らせ
2024年3月8日にケヅメリクガメの「キャサリン」(メス、推定35才)が死亡しましたので謹んでお知らせ申し上げます。
キャサリンは2013年よりオスの「ヨシハル」との繁殖制限のため、同時期に誕生した子供の「ワカバ」と「アオバ(現在は転出しています)」と共に、太陽の動物舎からふれあい広場に移動して飼育していました。
(左から、キャサリン、ワカバ、アオバ)
いつもパワフルな姿で、お散歩タイムでも大人気でたくさんの子供たちから囲まれても動じることなく堂々と前に歩き続ける姿が印象に残っています。子供たちにもふれあいを通して、たくさんの学びを与えてくれていたと思います。お散歩が大好きで、時にはなかなか帰ってくれず30㎏あるキャサリンを持ちかかえて、なんとか帰ってもらう事もありました。。(^_^;)笑
一緒に暮らしていた娘のワカバともとても仲が良く、2頭そっくりな姿で並んでお昼寝をしていたり、周りを眺めていたり、お散歩したり、そんな2頭だけのほっこりとした優しい空間はたくさんの癒しを与えてくれました。
お昼寝するワカバに寄り添うキャサリン(左:キャサリン、右:ワカバ)
口にごはんをつけてワカバと探検中(左:キャサリン、右:ワカバ)
今回キャサリンがなくなった原因となったのは「膀胱結石」でした。
ケヅメリクガメは野生ではアフリカ大陸の飲み水がほとんどないような、かなり乾燥した地域に生息していて、水分は主に餌となる多肉植物などから摂取していると言われています。その為、飼育下でも自力での水分摂取が少なく、特に冬場は水を飲む姿はほとんどありません。
しかしお水を飲まずに生活していると尿中の尿酸が塊となり「尿酸結石」ができやすくなってしまいます。予防としては十分な水分摂取(水分の多い餌や温浴など)、栄養バランスのとれた食事、適切な運動などで、ある程度は予防できます。ふれあい広場でも出来る限り温浴などの予防や、早期発見の為、定期的な検査に努めてきましたが、このような結果になり、もっと出来ることがあったのではないかと後悔が残っています。
温浴中のキャサリン
大好きなキュウリで水分補給のキャサリン
寒さにより展示を中止しバックヤードでの飼育期間で、みなさまともしばらくお会いできていなかった間と言う事もあり、とても残念でならない気持ちですが、今までキャサリンが残してくれた学びを今後に活かし、心から追悼の意を込めて、キャサリンが安らかに眠れるよう、スタッフ一同祈っております。
尚、ワカバについては今のところ変わらず元気で、今月行った定期検査でも異常はありませんでしたが、引き続き注意深く観察を続けていきたいと思います。
温浴中気持ち良さそうに手を伸ばすキャサリン
また、同日にホロホロチョウの「ハナミズキ」(メス、推定7才)も腎不全により死亡しました。
ぱっと見た感じ同じように見えるホロホロチョウたちですが、実は結構個性があります。
ハナミズキは、引っ込み思案なほうでいつも群れの後ろでこちらの様子を伺っているようなタイプでした。体調を崩し始めたのは昨年の9月頃です。元気はあるものの、毎月の体重測定で体重減少が続いていたので検査を行うと肝臓や白血球の数値が悪くなっていました。
通常であれば投薬や治療、健康観察のために他の個体と分けて療養してもらいたいところではあったのですが、ハナミズキの性格上、群れと分けてしまうと精神的なストレスにより食欲不振や状態の悪化に繋がってしまう恐れもあったので、投薬や治療も出来る範囲で続けながら最後までみんなと一緒に過ごしました。
みんなと広場を歩くハナミズキ(一番右)
引っ込み思案な割に、治療のときは抵抗してスタッフや獣医さんをつついたり、怒って大きな鳴き声をあげたり、結構我が強いところがあることも発覚しました(笑)
検査中に怒るハナミズキ
最後のほうは餌を食べる気力もなくなってしまい、目を瞑ってじっと座っていましたが生命力が強く最後まで長く生きてくれました。キャサリンと共に冥福を祈りたいと思います。2023年のはじめには6羽飼育していたホロホロチョウも現在は3羽となり、残っている個体も高齢のため今後もどうか元気に過ごせますようにと願うばかりです。
現在飼育しているホロホロチョウたち(左からスズラン推定7才、スカリー12才、ニコル13才)
いつも応援の声を頂きありがとうございます。
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2024年03月20日
ゾウ舎にて、その後
以前ゾウ舎の寝室にウッドチップを入れた話をしました。
今回はその後です。マックですがウッドチップを入れる前は夜間に1~2回、座り込んで休む時がありました。
それでも1~2分で立ち上がってしまうため、休んでいるとは言えない状態でした。ウッドチップを入れてからは座り込む時間が6~7分と延びました。
そして3週間ほどたつと、座った状態から前肢を伸ばし伏せる様な状態で休む様になりました。
休んでいる時間も長いときは20分を超えます。
一晩に2度伏せて休む時もあります。
これはかなりの足の負担軽減になっていると思います。
足が疲れて壁にもたれかかって休む時間も少し短くなりました。グラウンドに入れた川砂と寝室に入れたウッドチップで、足への負担が減れば、動物福祉の面からも良かったと考えられます。
これからも動物のことを考えて、色々な改善をしていきたいと思います。やん
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2024年03月20日
動物専門員の日常#07“カピバラ~体重測定ができるまで①”
みなさん、こんにちは。
今日は、カピバラのお話です。
王子動物園には2つの場所でカピバラを飼育しています。
1つは動物とこどもの国エリアの“パピコ”・“モナカ”チームともう1つは、オオアリクイのすぐ隣に位置しているカピバラたち“チャーシュー”・“メンマ”・“アサヒ”チームです。
“チャーシュー”・“メンマ”の体重測定について紹介します。
健康管理に欠かせないのが体重測定です。体重が分かることによって、日々の餌の量の調整や病気になったときの投薬量の計算にも役に立ちます。
無理やり捕まえて体重測定をしたり、追いかけて測定台に乗ってもらうこともできますが、それではストレスになったり、逆にケガを引き起こし、体調を心配することになります。
“チャーシュー”と“メンマ”は人(飼育員)としっかりとコミュニケーションがとれるタイプ&過去にトレーニングを実施していた時期もあったため、少し前から体重測定のためのハズバンダリートレーニングを本格的に実施することにしました。
ハズバンダリートレーニングについて聞きなじみのある方、多いのではないでしょうか?健康管理のため、王子動物園ではジャイアントパンダの“タンタン”をはじめ、さまざまな動物種で取り入れられている方法です。日本語で直訳すると、受診動作訓練(じゅしんどうさくんれん)。動物を長期間にわたり健康的に、なおかつ動物も人も安全性に飼育するためのトレーニング方法です。
トレーニングを始める前に、まずは、体重計の上に置くオレンジ色の板が怖いものではなく、安全なものだと知ってもらうために数か月の間、運動場に置いてみました。
はじめましてのときはこんな感じ。興味深々で近づいてきてくれてます。
次に、餌(青草と竹)を台の上に置いて食べてもらうことにしました。
あまり警戒せずに食べてくれています。いい感じです。
動物たちは初めて見るものは恐怖心を感じやすいので徐々に慣らし、普段の暮らしの中で無視できるようにしていくことが必要になります。
これを少し専門的な言葉で“脱感作(だつかんさ)”といいます。
今回は既に展示場に設置してある板と同じ色・サイズにしたのでスムーズに進むことができました。
ある朝の様子です。餌を食べ終わった後、“チャーシュー”がくつろいでウトウトとしていました。「めちゃくちゃ、慣れてくれてるやん・・・!ヽ(。・ω・)ノ゛」
これには、思わず笑ってしまいました。
さて、ここから少しずつトレーニングを行っていきます。
今は既に2頭とも、順番に台の上に乗るトレーニングが完成しているのですがそれまでいろいろとあったので次回、ご紹介します。
お楽しみに。
動物専門員 あお
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2024年03月12日
王子動物園がリニューアルをはじめます
王子公園再整備基本計画がとうとう公表されました
基本計画とは、、
「政策や事業における基本的な方針とその内容、プログラム、(中略)など、基本構想を受けて、当該敷地や地区の立地条件や事業実施のための具体的な課題や条件を整理し、具体的な対応策や発想を示し事業概念の確定や代替策の検討、ボリューム検討、諸手続きフローの確認、事業費概算等、事業実施のための青写真を示すことで、具体的な設計の指針とするもの。(Wikipediaより)」とありますまだまだ具体的な整備内容はこれからなんですね
王子動物園リニューアル基本構想でも謳われておりましたが、
「六甲の豊かな緑を感じ 動物と人がいきいきと過ごしながら 世界につながる動物園」
をコンセプトとしていて、
基本計画でも、豊かな緑・いきいき・世界につながる が大事なポイントになってます
また、王子動物園で初めて設定したコレクションプラン、動物園内のゾーニング、展示方法の工夫など、新たな情報も記載されています
これらを、どのように実現していくのか、動物園職員でいながらもとてもとても楽しみです
多くの方から応援の声も届いています!ありがとうございます!!
王子動物園は、
これからもずーーーっと一緒に、もっと動物にやさしく、生まれかわります
詳しくは王子動物園HPをご覧ください。↓
https://www.kobe-ojizoo.jp/renewal.html
M(マンを持して) -
2024年03月07日
エゾヒグマ「ロクジ」の治療
クマ科の動物は、高齢になると、下半身の麻痺などがおこることが多いです。
エゾヒグマ「ロクジ」(32歳)も、後肢のふらつきが現れたため、以前ウマグマ「ボー」が療養した時にバリアフリー仕様にしていた北クマ舎に、2022年に移動し、療養中です。
下半身を動かせないので、おしりや腰の骨が出っ張っている部分に、褥瘡(じょくそう(床ずれのこと))ができます。
小型や中型の動物ならクッションなどに寝かせますが、大型の猛獣ではなかなか難しいです。
少しでも緩衝材になるよう、寝室の床には牛用のゴムマットを敷き、そのうえにワラを敷いて、飼育員と獣医が毎日治療に取り組んできましたが、褥瘡は悪化する一方でした。そんな時に、全国の動物園が集まる研究会に参加し、ある動物園の発表を拝見しました。
様々な繊維を中心に扱う企業の東洋紡エムシー株式会社と連携し、人やペットの褥瘡のケアにも活用されているマットレスを用いて、カンガルーやヒツジの褥瘡の予防に成功したというものです。
従来のマットレスより体圧分散や通気性に優れているとのことでした。動物園に戻り、飼育員や獣医たちと相談しました。
中型の動物で成功したとはいえ、クマに使えるのだろうか、壊されてしまうのでは、などの懸念もありましたが、とにかくやってみようということで、その動物園に連絡し、東洋紡エムシー株式会社を紹介していただきました。同社に連絡すると、クマでの効能を調査する目的で、まずはサンプルとしてマットレスをご提供いただき、硬さや厚みなどについて丁寧に相談にのっていただきました。
ロクジの寝室の床に敷いてみると、ロクジはマットレスの上におとなしく座っており、どうやら気に入ってくれたようでしたが、人用の布製ベッドカバーは一瞬で引き裂かれました。
水を通しながらもクマに破られにくい強い素材のカバーを探し出すなど試行錯誤しながら、毎日、傷口の処置をし、治療を続けました。同社のご担当者様にもご来園いただきロクジの様子を直接見てもらったうえで、意見交換をしながら治療を続け、一時は骨が見えるほどに悪化していた褥瘡の傷が、数ヶ月後、ほとんどふさがってきています。このため、先日から観覧を再開し、屋外でゆっくり過ごすロクジの姿を久しぶりにご覧いただいています。
ただ、当初はおとなしく座っていたロクジが、マットレスやカバーを爪で破るようになってきています。
元気になってきた証拠やね、と苦笑しながら、飼育員たちが毎日補修に追われています。マットの有用性も確認できたので、今後はこのマットを継続的に購入・使用していく予定です。
マットレスのサンプル提供とご相談にのっていただいた東洋紡エムシー株式会社様と、貴重な症例をご報告いただいた動物園様に、心より感謝申し上げます。
これからもロクジができるだけ快適に過ごし、長生きできるよう、努めていきます!
マットレスの上でくつろぐロクジ
ション
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2024年03月06日
出張先にて
1月23日、24日の2日間、福岡県に行ってきました!
といっても、遊びにではないですよ!お仕事です!お仕事!
年に一回、全国各地の動物園がホストとして開催している、公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)主催の「動物園技術者研究会」という会議があります。
今回は福岡市動物園が開催園となって福岡市内の大きなホテルで開催されました。
北は北海道から南は沖縄県までの全国の動物園職員が約100名集まって、動物たちに関係する知識を深めたり、飼育技術の向上を目的に、飼育動物の繁殖や治療、保全活動や教育に関することなど、さまざまな研究成果を発表して白熱した討議を行います。
また公益社団法人日本動物園水族館協会の総裁は秋篠宮皇嗣殿下で、研究発表会にも御臨席されるため、地元の大きなニュースにもなっていました。
我が王子動物園からは「カリフォルニアアシカの低ナトリウム血症の一例」という演題で資料をまとめて飼育担当者と獣医師が発表、質疑応答に臨み、研究発表会終了後は福岡市動物園への視察研修会にも参加しました。
さてこの会議に参加するにあたり
前日の1月22日に同じ福岡県にある北九州市の動物園、到津の森公園も視察してきました。
到津の森公園は民間の企業が運営していた動物園でしたが2000年5月に閉園。しかし市民の動物園存続・再開を望む署名活動もあって2年間かけてリニューアルして2002年4月に再開園した歴史があります。
交通の便利な街の中にあり、動物園の敷地面積も、飼育している動物の種類もほぼ王子動物園と同じくらいなので一日かけてじっくり見てきました。
行った日はちょうど極寒寒波がやって来ているさなか、雪が舞う中で凍えそうになりましたが、そんな中でも特に印象的だったのが緑の多さ。王子動物園も桜の名所で、原田の森と言われるくらい木が多い場所ですが、落葉樹が多いために秋から冬にかけての今の時期は少し寂しげです。
しかし到津の森公園はこんな感じでした。
再開園から20周年を経て、今このような緑豊かになったのかと考えると王子動物園もリニューアルで動物たちにも人にも優しい緑豊かな良い動物園を目指していきたいと思いました。
ぶろぐのぐ
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2024年03月06日
ZiZi通信 No.91 あったかいんだから....
高齢で腰が立たなくなって療養しているエゾヒグマのロクジです。
食欲旺盛で天気のいい日は日光浴を楽しんでいます。
腰が立たなくなったせいで、「褥瘡(ジョクソウ)」いわゆる「床ずれ」ができて毎日治療しています。
給湯施設のないクマ舎では傷口を洗うお湯がありません。
そのため、飼育係は毎日この黄色いタンクにお湯を入れて
フォークリフトで調理場から運んでいました。
今回、給湯器付けました。(外側)
(内側)
早速、適温で使ってもらいました。
おお! 味見!
のど下も! おお!いい目してるね!
飼育作業も少し楽になりました。
ZiZi1号
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2024年02月29日
災害を乗り越える
2024(令和6)年は、とても衝撃的で悲しい幕開けとなりました。
元日の午後4時過ぎに、のどかなお正月を迎えていた能登半島を最大震度7の大地震が襲いました。神戸市内でもそれなりの揺れを感じたほどでした。その後の被害状況は連日のように報道されていますので、詳しくは記しませんが、人的被害、物的被害は計り知れず、いまだ被害の全容が明らかになっていないと言われています。
そんな中、人や家屋だけでなく、動物も危険にさらされています。石川県七尾市の「のとじま水族館」も甚大な被害を受け、水槽や設備が壊れ、国内の他の園館への避難を余儀なくされ、それ以上に残念なことには、貴重なジンベイザメが死亡するなど、本当に胸が痛みます。
くしくも、王子動物園がある神戸は29年前の1995(平成7)年1月17日に阪神淡路大震災を経験し、王子動物園自体も被害を受けました。しばらくの閉園はやむをえませんでしたが、幸いにして園職員や動物が犠牲になることはなく、獣舎や設備にも大きな損傷はなかったと聞いています。その際にも、近隣の園館を中心に人的、物的な手厚い支援や激励を受けて、被災者でもある職員一同必死に復旧に取り組み、3月23日に何とか再開できました。その当時の関係各位からいただいた多大なご支援には今でも感謝しており、今回はのとじま水族館をはじめとする能登半島の復旧・復興に対して、神戸市、王子動物園として少しでも恩返しをする番だと、各方面で取り組んでいるところです。
のとじま水族館は今のところ再開のめどが立っていないと聞いており、復旧への支援として、見舞金やクラウドファンディングの募集が始まっていますので、関心を持っていただければ幸いです。
のとじま水族館や、日本動物園水族館協会(JAZA)のホームページからアクセスできます。また、王子動物園内でも募金箱を設置し、ご協力を呼び掛けています。
被害を受けた能登半島周辺地域と被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興をお祈りするとともに、災害被害から動物たちを守り、のとじま水族館が少しでも早く再開できるよう、協力の輪が広がることを願います。
〇日本動物園水族館協会(JAZA)によるのとじま水族館への支援について
https://www.jaza.jp/storage/jaza-news/Qn8ck8jv2V9RtA2bk6wNk7jvW9CjYOZb4Ui9bZkU.pdf
〇のとじま水族館ホームページ
(KYな人)
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2024年02月20日
コバタンの死亡に寄せて
朝の早い時間は寒さが厳しい三寒四温の日々ですが、芽吹く若葉に春を感じてきました。
新しい芽が生まれる中、先日2024年2月10日コバタン(オス・40歳以上)が亡くなりました。
1983年に来園してから長い間、王子動物園で過ごしてきた40歳を超える長寿のインコでした。大きな目をまん丸にし、来園者の動きに合わせて反応する姿が微笑ましく、小さな身体を左右に揺らしながら「キィキィ」と鳴く声がかわいい人気者でした。
寒さに弱いため近頃は暖かい温室で過ごしていました。少し元気がない中でも大好きな落花生や
パンをカリカリと器用にくちばしと足指を使い、美味しそうに食べていた姿を思い出します。コバタンのいた部屋に行くと、コバタンと過ごした日々の思い出があふれてきます。
しかし、私たち飼育員は下を向いてばかりはいられません。
時には涙を心の中にこぼしながら彼等との素敵な思い出を胸に刻みつつ、一日でも長く動物たちと関わっていきたいと思う春の日でした。これまで可愛がっていただいたお客様に感謝するとともに、コバタンに、「長い間ありがとう、お疲れ様」と伝えたいです。
メス(左)と仲良く寄り添うコバタン(右:オス)
器用に食べる姿がかわいらしい
春はまたやってくる
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