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最新ニュース

  • 2024年07月10日

    動物専門員の日常 #13 特別篇 “視力が低下したアシカへのハズバンダリートレーニング”

    みなさん、こんにちは。

    今日は特別編と題して、私ではなく他の動物専門員の取り組みを ちょっとアカデミックに紹介します(/・ω・)/

    動物園における動物たちの飼育管理というのは、すごくバリエーションが広くてそして奥が深くて、何から紹介しようかをいつも迷うのですが最近、一緒に仕事をする中でそのトレーニングスキルの高さに思わず鳥肌が立つことがありました。

    それは、カルフォルニアアシカ“カイト”のハズバンダリートレーニングです。

    P5300192

     

    カルフォルニアアシカ(以下:アシカ)は大きく発達した眼球を持っているため、眼科疾患(角膜炎や白内障など)が多く見受けられます。個体同士の闘争や飼育環境下でのアクリルガラスや外壁との衝突、飼育水の種類、日光(特に紫外線)の影響、そして人間と同じで加齢も要因として挙げられます。これらの要因が複合的に重なり合い、アシカたちの眼球は傷つきやすく疾患が発生しやすいのです。

     

    王子動物園で飼育をしているアシカたちも眼科疾患は例外ではなく、特に“カイト”(13才♂)は両目がほとんど見えていない状態でした。 “カイト”にとって住み慣れたアシカ池は日常生活を送る分には問題はありませんが、適切な獣医療を受けてもらうこと、生活の質(quality of life)の向上を考慮に入れるとトレーニングは不可欠です。

    通常は正常な視力を持っている内にトレーニングをつくり、継続をすることが多いです。カイトの場合、視力が低下する前にターゲット棒や点眼など部分的にトレーニングをしていましたが、しばらく中断していました。そのため、ほとんど目が見えない状態でイチからトレーニングを作り上げる事になりました。

     

    そこで、注目したのが視覚以外の他の感覚です。アシカは餌を食べるときに、主に視覚と口周りのヒゲ(感覚毛)を使っています。目を使って泳いでいる魚を発見し、感覚毛である口周りのヒゲで水の流れをキャッチし、魚を捕まえると考えられています。

    そのため、たとえ目が見えなくても口元のすぐそばに餌の魚を持っていくと食べることができます。

    アシカヒゲ

     

    ご褒美の餌(強化子)を与えることはできるので、ここから望ましい行動の形成を行っていくことにしました。

    まずは、トレーニングの基本からです。 指定された位置に留まる基本姿勢の維持と吻タッチです。吻とは動物の鼻先のことで、手のひらやターゲット棒に鼻先をタッチしてもらいます。この吻タッチを覚えてもらうことによって、その先の行動形成のステップに進むことができるようになります。ただ、“カイト”の場合、ほとんど目が見えてないので吻タッチをするべきターゲット棒の位置が分からないことが課題でした。

    「カイトにとって、どうすればターゲット棒の位置が分かるようになるのか」

     

    考えぬいた末に、餌の魚の汁をぬったターゲット棒を使ってみることにしました。嗅覚を使って正確なタッチポイントを見つける作戦です。この嗅覚を利用する方法をきっかけに、カイト自身が正確にターゲット棒の位置を理解することができました。このターゲットトレーニングを基本とし、さらに聴覚を利用したトレーニングを組み合わせることによってカイトの反応が大きく変わりました。トレーニングのステップを1つずつ積み重ねることで今では、吻タッチ以外にも口周りのヒゲにターゲット棒を沿わせて行う伏せの姿勢やターゲット棒でトントンと地面を叩く場所に移動することなど様々なことが可能となっています。


    ▼聴覚を利用して地面を叩く音に反応して移動するカイト
    トレーナーのサインに反応して移動するカイト


    ▼ハズバンダリートレーニングの様子

     

    これらができるようになったおかげでカイトへ行うことのできる検査や処置の種類(触診による身体検査、口腔内確認、点眼、傷への消毒など)も格段に増えました。 また、現在は獣医師と連携して採血のトレーニングに取り組んでいます。定期的に採血ができるようになると、その血液を検査することによって見た目では判断しづらい病気の早期発見につながります。

    IMG_2028

    さて、今回初めて他の動物専門員の取り組みを紹介してみましたがいかがでしたか?

    ハズバンダリートレーニングは数多くある飼育管理手法の1つです。
    これは動物が覚えたらずっとできるようになるといった単純なものではなく日々、動物の状況を見極めながらトレーニングを積み重ねて継続していくことがなにより大切で、腕の見せ所でもあります。

    “動物専門員や飼育員が何のために懸命にトレーニングを行っているのか”“それを実施することで動物たちの生活や健康管理にどのように還元できるのか”

    を知ることでもっと王子動物園の動物たちのことやその取り組みに興味を持っていただけると嬉しいです。

    あ、最後に1つだけ・・・。 トレーニングを行っている動物専門員や飼育員を見かけたときは、 声をかけずにそっと見守ってくださいね。

    よろしくお願いします(`・ω・´)ゞ

    動物専門員 あお

  • 2024年07月07日

    資料館レポNo.29 特別展『ありがとうタンタン』リニューアルオープンのお知らせ

    動物科学資料館では、5月11日(土曜)から特別展『ありがとうタンタン』を開催していますが、展示内容を一部変更し、7月2日(火曜)からリニューアルオープンをしました。

    ※掲載した写真はクリックすると大きくなります。

    ◎IMG_0020 入口はこんな感じです。

    この特別展は、みなさまにタンタンの思い出をご一緒に振り返っていただければ…という気持ちで、若いころから晩年までのたくさんの写真やタンタンのゆかりの品を展示しています。また、日中共同飼育繁殖研究について、タンタンが行っていたトレーニングや、その結果残すことができた成果などを展示しています。

    全体の構成は変わらないものの、リニューアルによって、内容はより深くなりました。写真にはなるべく解説をつけて、タンタンがその一生の中で、どのように暮らし、どのように食べ、どのように遊んだのかをじっくりと追っていただけるようにしました。ゆかりの品も点数をふやして、タンタンの在りし日の日常生活をより一層感じていただけるように工夫しました。

    ◎IMG_0032 ゆかりの品々

    また、調査研究の面でも、王子動物園の飼育係・獣医師と日中の専門家たちが、タンタンと真剣に向き合い、タンタンだけでなくこれからのジャイアントパンダの研究-生態、繁殖、疾患治療や高齢個体への対応-がより進むことを目指した様子がわかるよう、展示内容を充実させました。

    そして、最後にタンタンの暮らしを支えてきた様々な専門家たち、そして歴代担当飼育係の追悼の言葉で締めくくっています。どの追悼文も、タンタンとの思い出にあふれています。

    神戸市民をはじめ、多くのみなさまから愛され、日中友好と震災復興のシンボルとして、人々に癒しや勇気を与えてくれたタンタン。
    ほんの少しでも「タンタン」の面影を感じていただければ幸いです。

    リニューアル前に既にお越しくださった方も、まだの方も、ぜひ、お越しください。

    ローズマリー 最後のおまけで、これをご紹介します。

    あまりネタバレもよろしくないかとまわりは加工しましたが、タンタンが ”うっとりしたもの”を展示してます。

    お待ちしております。

  • 2024年06月12日

    じゅーいのしゅーい#141 結希10歳!

    アジアゾウのマックとズゼの仔、結希が、市原ぞうの国で10歳の誕生日を迎えました。
    ささやかながら、神戸からフルーツ一式を送りました!

    20240612135553-0001果物1

    20240612135553-0002果物2

    市原では今年もお誕生日会をしていただきました。ありがとうございます(^^)/

    詳しくはこちらから↓

    市原ぞうの国Instagram

     

    あのちっちゃかった結希が、なんと10歳…
    すっかりオスゾウらしくなって、やっぱり足の長さはマック譲りで。
    でも、まだまだ大きくなりそうですね!

     

    市原ぞうの国の皆さま(ヒトの皆さまも、ゾウの皆さまも)、いつもありがとうございます。
    これからも結希のことよろしくお願いします。

    P6122168マック

     

    P6122181ズゼ
    今日のマックとズゼ(マックは明日で32歳!)

    (亜種メガネダヌキ)

  • 2024年06月10日

    『だって動物園だもの♪~新しい命に出会うまで~』

    6月2日に、ベニイロフラミンゴの雛が孵化し、

    そのカワイイ姿を親鳥の羽の間から覗かせています。

    先月の大型連休も、お天気もそこそこ良く、The休日という感じで賑わっていた動物園。
    たくさんの方々が開園すぐに園内を歩いて来られました。

    休日でも平日でも、私の担当の生きものたちへの業務内容はさほど変わりはないので、
    いつも通りに獣舎内を清掃していました。

    たくさんの人が行き交うということは、普段あまり目にしない「飼育員」という珍しい生きもの(!?)に向けられる目も必然的に増えるわけで…。

    若干、緊張しつつガンジキを持つ手も力が入ったり入らなかったり。

     

     

    そんな中、
    「見られなかったね~」
    「いなかったね…」
    といった言葉を耳にすることもあります。

    というのも、園内のいくつかの獣舎では、あえて様々な「動物が見づらくなる対策」をしているからです。

     

     

    それは、例えば
    ただでさえ少し見えにくい金網の上に、「鳥インフルエンザ対策」で外から野鳥等が入りにくくするために防鳥ネットを張ったり…
    限られた環境で繁殖してくれる生きものたちが、少しでも落ち着いて過ごせるように目隠しの覆いを設置したり…
    暑さ対策の為にヨシズを立てかけたり…
    体調管理の為、表から見えないバッグヤードに収容していたり…
    などです。

     

     17158409958901715840982025

     

    動物園を訪れる皆さまは、
    「普段見られない・動く・珍しい・変わった・生きものを・間近に」
    見られると思って期待して来られる事でしょう。

    確かに、動物園という場所は「図鑑やテレビ等でしか見られない生きもの」を、
    眼の前で同じ空気の中、身近に見て、五感で感じる事ができる素晴らしい場所だと思います。

     

     

    毎日のお散歩がてらに来られる方もおられれば、遠路はるばる、中には海外から来られた旅行者の方など、その日1日しか動物園を訪れる事ができない方もいらっしゃるでしょう。
    せっかくのチャンスに、生きものたちが見づらい状況では、がっかりされるかもしれません。

    ですが、「見づらくなる対策」は、どれも飼育展示されている生きものたちに少しでもより良い環境を、と配慮しておこなっているものです。

    見づらいところにいる生きものたちも、きっとまた、限られた環境の中でも、新しい命をつないでくれる…今もちょうどそのための大事なとき…そんなふうに、優しく受け入れてもらえたら。

     

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    そう思いながら、獣舎内を清掃していた暖かい日差しの日でした。

    〜Nのさえずり〜

     

  • 2024年06月05日

    未来に向けて

    動物園の職員が毎日どのような仕事をしているかについては、これまでのブログやX(エックス)で飼育係や獣医師がそれぞれの立場から皆様に紹介してきました。
    私(ぶろぐのぐ)は去年、ブログの中で「新しいスタッフが5人も加わりましたよ」と紹介しましたが彼らもこの1年、全員が体や頭をフル回転して頑張ってきました。

    ごく最近では、「キリン」たちの特徴を分かりやすく説明した看板を作ってみたり。

     

    IMG_1873

     

     

    「カンガルー」の得意なジャンプに挑戦できる看板を作ってみたり。

     

    IMG_1879

     

    「コアラ」や「カンガルー」などオーストラリアに生息している動物たちのガイドや、

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    シカに似ているけれど、ウシのなかまである「シタツンガ」のガイドツアーなどなど。

    ★DSC_3331

     

    動物たちの飼育に全力で愛情を注ぎながらも、動物園に来ていただいた皆様にも少しでも楽しく動物たちのことを知ってもらいたく日々励んできました。

    そんな動物たちへの真摯な姿を見ていると同じ職員として応援してやりたくなりますし…
    若かりし頃の自分と重ねてみたり、またたくさんのことを教えてくれた先輩飼育係さんたちへの感謝の気持ちも溢れてきます。

     


    ブログに私事は申し訳ないのですが…先日、今年の3月に亡くられた神戸どうぶつ王国の佐藤哲也元園長のお別れ会に参加してきました。

    元園長とは飼育係になり始めたころ、約40年前から指導を頂いていました。仕事に対しては非常に厳しい方で有名でしたが、動物たちや動物園、そして人への愛情は人一倍強い方だと感じていました。数多くの動物たちの繁殖や生物多様性保全、環境保全などでさまざまな業績を残されて、またたくさんの後輩職員からも慕われている方でした。
    最近もライチョウの繁殖と野生復帰に関わる事業、国内のツシマヤマネコや海外のボルネオ島に関わる生息地保全事業。動物園施設で使用していた使い捨てプラスチック製品の廃止や、ユキヒョウの保全調査研究と生息地の地域経済活性化に対する支援活動などなど。
    動物園が取り組むべきことに率先して行動される姿は尊敬でしかありませんでした。

     

    王子動物園でもこれからもその動物ファースト、自然環境ファースト、世界の未来ファーストの精神を引き継いでより良い動物園を目指していくと共に、未来を担う世代の人たちにも受け継いでいきたいと思いました。

    ぶろぐのぐ

  • 2024年05月24日

    じゅーいのしゅーい#140 はじめまして、改め…

    お久しぶりです、じゅーいのメガネダヌキです。
    と言っても、誰やねんという感じですよね…
    2018年春に動物園を離れてから、このたび6年ぶりに動物園に戻ってまいりました。

     

    王子動物園はいよいよリニューアルに向けて激動の時期。
    5年後、10年後の王子動物園はどうあるべきか?
    前よりもっと、さらに切実に取り組んでいかねばなりません!

     

    でも目の前にあるのは、今日明日が締め切りの仕事だったりして…。

     

    日々迷えるじゅーいですが、動物たちから学びながら、動物と動物園のことを考え続けていけたらなあと思っています。

     

    またブログでゆるくつぶやいていきますので、よろしくお願いします。

     

    がっちゃんにも再会のご挨拶をしました。

    喜んでくれた、かもしれない…?

     

    がっちゃん1

     

    がっちゃん2

     

    (亜種メガネダヌキ)

  • 2024年05月23日

    別れは来るけど・・・

     2024年度の王子動物園は、大きな出来事で幕を開けました。
    約24年にわたって多くの方々に愛されてきたジャイアントパンダのタンタンが、3月31日深夜に静かに旅立った知らせが、神戸での桜の開花宣言とともに4月1日に伝わりました。

    直後から多くの献花をいただき、5月10日には追悼式が行われましたが、この間に聞こえてきたのは、悲しみを上回る「ありがとうタンタン」という声でした。

    神戸の復興を後押しするため、日本と中国の友好のために神戸に来てくれて、どれだけの人々が勇気づけられてきたか、ここで述べるまでもありませんね。

     

    これまで王子動物園や神戸のまちににぎわいをもたらしてくれて本当にありがとう!残った私たち、動物もスタッフも、もっともっと盛り上げていきますから、空の上から見守ってくださいね。

     

    DSC_5764_20355

     

     

    もうひとつ、お別れの知らせが届きました。
    昨年の6月4日にブログでつづりました「もうひとつのテーマソング」

     

    そこでご紹介しました「王子動物園の唄」を作詞作曲された、“浪花のモーツァルト”キダ・タロー先生が亡くなられたとのことです。
    あらためてこの歌を聞きました。詩、曲ともに本当に素晴らしいと再認識しました。

    その時に書いたように、この作品ができたいきさつや思いを、やはり直接聞いてみたかったなぁ・・・と、今となっては少し悔いが残りますが、この作品がいつまでも王子動物園とともに語り継がれていけば、キダ先生にもきっと喜んでいただけると思います。

    関西が誇る偉大な作曲家のご冥福をお祈りいたします。

    (KYな人)

  • 2024年05月05日

    たんたんさんとの思い出2

     現在、園の公式X(旧Twitter)では『#たんたんさんとの思い出』を不定期でポストさせていただいており、撮り貯めた写真や、動画を見返しながら僕自身も、たんたんさんとの思い出を色々と振り返っています。
    そしてその中で、久しぶりに2000年のたんたんさんが来園した当時の飼育日誌を読み返してみました。

     

     その当時、当然ですが僕は担当ではなく、まだまだ駆け出しの飼育係でした。
    その頃の僕は「ジャイアントパンダを担当出来るなんて、大ベテランの飼育係だけだろうし、担当出来るなんて凄いな~」と、自分にはまだ関係のない話だとある意味他人事の様に思っていましたが、まさかその8年後に自分がジャイアントパンダの担当になるなんて、夢にも思っていませんでした。
    そこから最後まで担当するなんて、人生何が起こるのか分かりませんね。
     

     

     さて、話が少し脱線してしまいましたが(笑)、その飼育日誌を読んでいると、フフッと思わず笑ってしまったのが、たんたんさんが雨が苦手な事と、餌に対してとても神経質だと書かれていた事です。
    コウコウは食べるのに、タンタンは食べないとか、雨が降るとすぐに部屋に帰る、外に出たがらない等...
    たんたんさんは来園当時から、たんたんさんなんだな~と日誌を読んでいて、思わず笑ってしまいました。
    僕が知らない頃のたんたんさんを知れたのはとても良かったし、これもまた、たんたんさんとの思い出の一つになりました。

     

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    うめもと りょうじ

  • 2024年04月28日

    ZiZi通信 No.91 プルプル....

    ご無沙汰しています。

    世の中、ゴールデンウィーク!!!

     

    開園前に園内を回ってたら、ホッキョクグマ舎の水面がゆれているのが目に入りました。

    ユメが水に入っている証拠です。

    あれえ?泳いでないやん。上がったばかり?

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    おお、首が長い! ホッキョクグマやからね。

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    ドボ~ン!

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    とてもまったりした感じです。

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    朝一はユメがとてものんびりしてる感じがすると飼育担当と話しました。

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    静かな...

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    静かな...ひと時!

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    と思ったら、水から上がってプルプルってして行っちゃいました。

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    ありゃあ! またね!

    ZiZi1号

  • 2024年04月27日

    六甲山の自然 10 ニホンヒキガエルの卵

    昨年「六甲山の自然1」でニホンヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)と幼体(子ガエル)を報告しました。
    今年の2月29日に同じ場所へ行ってみたところヒキガエルの卵塊を3か所で見ることができました。
    3か所の卵塊すべてが水中に没した木の枝に巻き付くように産み付けられていました。大きな卵塊だと5m以上になると言われています。今回見つけた卵塊は、大きいものでも長さ約2mでした。

    卵塊1

     

    卵塊2

     

    卵塊3

     

    写真4 拡大

    写真を拡大すると、卵塊は紐状で木の枝に巻き付けているのがよくわかります。 

    写真5 さらに拡大

     

    さらに拡大すると黒い卵の周りが紐状のゼリー層に覆われているのがわかります。
    このゼリー層は受精のために必要であり、物理的な衝撃やバクテリアの侵入、乾燥から卵を保護していると報告されています。
    今回卵塊を見つけた池には鯉やブラックバス、ヘビ類、鳥類などカエルを捕食する生物を確認しています。池の周辺の林や小川ではタゴガエルやニホンアカガエル、モリアオガエルを確認していますが、この池での産卵はありません。唯一ヒキガエルだけが繁殖しています。
    このような池でヒキガエルが繁殖できる要因としては、ヒキガエルは幼生、成体ともに毒成分を持っており捕食者が忌避するからだと考えられます。
    4月になったのでそろそろ沢山のオタマジャクシに会えると思います。