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2025年03月31日
また明日ね
たんたんさんが旅立ってから、今日で一年が経ちました。
しかし僕は『#たんたんさんとの思い出』の為、写真を見返していると、「そうかあの時はあんな事があったな、あの時は大変だったな」等、色々な事を思い出しながらの毎日だったので、この一年はあっという間に感じられました。
昨年の3月に『#きょうのタンタン』を休止し、まもなくたんたんさんが旅立ち、その後は皆さんから沢山の声を聞かせて頂きました。
急な話でもあり、当然ですが皆さんすぐに受け入れる事が出来ない様子に思えました。
実際にずっと近くで見て来た僕自身もそうでしたから、皆さんはより受け入れる事は難しかったと想像します。
そんな色々な声を聞かせてもらっている中で、ずっと近くでたんたんさんを見て来た僕だからこそ、皆さんに何か出来る事があるんじゃないだろうかと考えました。
そうして始めたのが『#たんたんさんとの思い出』でした。
『#きょうのタンタン』を始めた理由は皆さんにタンタンをもっと知ってほしいと言う理由からでした。
そうしてX(旧Twitter)を通して、僕の予想を大きく超えるほどタンタンと言うジャイアントパンダの存在は広がっていってくれました。
これはひとえに応援してくれた皆さんのおかげだと思います。
そうして繋がってきた今だからこそ、今度はX(旧Twitter)を通して、僕が皆さんの力になれないだろうかと考えました。
そうしてスタートした『#たんたんさんとの思い出』の中では、
皆さんから沢山の声を聞くことが出来ました。
やはりたんたんさんは皆さんからとても愛されていたんだなと改めて実感したのと同時にとても大きな悲しみも感じられました。
それでも時間と共に少しずつですが皆さんから前向きな言葉を聞ける様になり、少しでも『#たんたんさんとの思い出』が皆さんの力になれている事が、僕にはとても嬉しかったです。
そうして約一年間続けてきました『#たんたんさんとの思い出』ですが、事前にお伝えした通り本日3月31日を持ちまして幕を下ろしたいと思います。
『#きょうのタンタン』、『#たんたんさんとの思い出』とここまで長く続けてこられたのも、皆さんの応援のおかげです。
ここまで応援して頂き、本当にありがとうございました。
しかしたんたんさんの投稿が終わったからと言って、皆さんの中からたんたんさんとの思い出が消える訳ではありません。
僕にとってもたんたんさんと言う存在はとても大きなものとなり、これからも僕の中で思い出としてだけではなく、飼育係の経験としても生き続けて行くでしょうし、皆さんの中でもこれからも色々な形で残っていってくれればと思います。
それでは最後になりますが、今まで本当に長くお付き合いいただきありがとうございました。
そして皆さんの『明日』を願い、最後はあの言葉で締め括りたいと思います。
たんたんさん、そしてずっと応援してくれたみなさん、『また、明日ね』
うめもと りょうじ
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2025年03月31日
「BE KOBE」
3月21日は王子動物園の開園記念日でした。
1951年の開園から今年(2025年)で74周年となりました。
開園記念日の当日は気持ちの良い快晴で、気温も一気に上昇。
春らしい陽気に包まれた穏やかな一日でした!
この時期冬から春へと季節は移り、新年度という節目の時にもなるので、
卒業式や入学式、新社会人といったキーワードのニュースや、
桜の開花予想などもよく目にするようになりますね。
王子動物園も恒例の「夜桜通り抜け」が4月3日(木)4日(金)5日(土)の3日間で開催されることが決まりました。
ぜひホームページなどをチェックして、昼と夜の両方でたくさん楽しんで下さい。
元気いっぱいで愛くるしいホッキョクグマの「ゆめ」や
ようやく名前が決まった赤ちゃんコアラの「おうき(桜希)」も待っています。
(夜は動物たちはご覧いただけません)
ただし、人気の高いどうぶつたちの前は混雑する場合があり、
ご不便をおかけすることもあるかとは思いますが、
どうぞ、小さなお子様などにはゆずりあいなどのお心遣いをいただき、
マナーよく、多くの方に気持ちよく楽しんでいただきたいと思います。
阪神・淡路大震災から20年をきっかけに生まれた「BE KOBE」。
「神戸の魅力は人である」というメッセージが、
神戸らしさや王子動物園らしい魅力にもつながればと思います!
ぶろぐのぐ
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2025年03月09日
ZiZi通信 No.91 テナガザルであーでもない....
ZiZi通信 1年ぶりのアップです。
今回はテナガザルの遊具?木組みの取り換えをしましたのでその件を....
以前は木で組んでいました。木は腐り劣化しますので更新です。
飼育担当とあーでもないこーでもないと考えます。
木組みは雨ざらしなので、数年で劣化してしまうので鉄管で作ることにしました。
鉄管は日光で熱くなるので、遮熱塗料で温度上昇を防止します。
ホントは木がいいのはわかっていますが、テナガザルが齧るから防腐剤も使えないでしょ。
竹ひごでイメージをいろいろ作りました。
結局この3タイプに決まりました。
出来上がりはシンプルで空間が広くなりました。
初めて運動場にテナガザルが出るときは緊張です。
ゆっくりブラキエーションして、チョンと足で触ってくれました。
ゆっくりでいいから早く慣れてね ❣
ZiZi1号
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2025年02月26日
動物専門員の日常#16 これがええねん!フラミンゴ島の土起こし
先日、フラミンゴ池の中央にある陸地(通称:島)の土起こしをしました。
王子動物園のフラミンゴ飼育の歴史は長く、1977年に国内で初めてフラミンゴの人工ふ化に成功をし日本動物園水族館協会から繁殖賞を受賞しています。
さらに、1983年から昨年まで41年連続でフラミンゴの繁殖に成功をしており、今年も期待がかかります。先月から、求愛ディスプレイがますます盛り上がりをみせ、交尾をする姿や土壌をくちばしで気にする様子、縄張り争いなども確認ができました。
▼交尾の様子(一瞬の撮影だったので、ぶれています)
▼土壌をくちばしで気にする様子
フラミンゴたちからのたくさんのサインをキャッチして、
ベテラン飼育員とも相談をし「そろそろ土起こしの季節だね」ということで、島の土起こしをしました。島を耕してみると底の方の土壌は灰色~黒色となり、柔らかさや匂いも違います。 一般的に排水性が悪く、酸素が不足しがちな土壌は黒さび状態になることが知られています。 農作物を育てたことのある方なら、酸素が少なくて凝り固まった土はよくないってこと、感覚的に分かりますよね。 このような土壌だと農作物は酸欠状態に陥り、上手く育つことができません。
でも、フラミンゴたちにとってはこれが逆に理想的な状態! この土壌こそが、ぴったりだとか。
スコップを片手に、
「これがええねん!!」の言葉を聞き、底の土を表面に出すように耕しました。
他にもフラミンゴが好むちょっとしたコツやついついやってしまいがちだけど、やらない方がいいことなども
教えてもらいながら、えっちらおっちら完成です。
▼ベテラン飼育員と一緒に島を耕す様子
https://youtube.com/shorts/arX0GPu-tkU?si=UVpiUC9tLGnoAfyG▼島の土起こし後のフラミンゴの様子
毎年、4月下旬には最初の産卵が始まり、親鳥にあたためられた卵は28日前後で孵化しますので
順調なら梅雨入り前には最初のヒナが産まれます。今年もヒナの誕生が楽しみです。
▼昨年、誕生したベニイロフラミンゴのヒナ
動物専門員 あお
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2025年02月20日
発表会
すでに動物園のホームページなどでお知らせしていますが、3月9日(日)に第45回「大人のための動物園講座」を開催します。
今回の内容は、この1年間に動物園スタッフがさまざまな専門の会議に出席して発表した研究の成果について、みなさんに分かりやすく紹介しようという企画です。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、動物園には大きく4つの役割があります。
① 種の保存
地球上の野生生物を守り、次の世代に伝えていく
② 教育・環境教育
動物の生態を理解したり、生息する場所を守るために必要なことを考える
③ 調査・研究
動物の生態をよく知り、快適な生活ができるように詳しく調べる
④ レクリエーション
動物園で命の大切さや生きることの美しさを感じながら楽しく過ごす
動物園は毎日飼育している動物たちに幸せになってもらいたいと色々なことも考えていますが、これらの役割にも積極性に取り組みながら、動物園や大切な地球のよりよき未来をめざして頑張っています。
今年、王子動物園のスタッフがその成果として大事にまとめてきたものが、
①「床材導入によるアジアゾウの睡眠様行動の変化について」
②「後躯不全麻痺のアカカンガルーのケアについて」
③「三次元網状繊維構造体マットを使用したエゾヒグマの褥瘡治療の一例」
④「動物園内でのタイワンタケクマバチ(外来種)の出現と対策について」
⑤「歩行困難なガチョウに対する東洋医学を応用した徒手療法の一例について」
⑥「園内死亡野鳥における高病原性鳥インフルエンザの発生事例について」
などなどです。
難しそうな言葉が多くて面白くなさそうと思わないで下さいね。
毎月子どもたちにも楽しんでもらえるイベントをたくさん催している優秀なスタッフが、今回は大人のみなさん限定で満足させることは間違いなしなので!
是非とも参加してみて下さい!
対象が15歳以上の方になりますが、神戸市公式イベントサイト「おでかけKOBE」から今週の23日(日)まで申し込みを受け付けております。
https://www.kobe-ojizoo.jp/event/detail/?id=588
さて先月お知らせした梅のつぼみは…
咲きだしましたよ!
ぶろぐのぐ
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2025年01月14日
冬の使者
ついにこの冬はじめて、その姿をとらえることに成功しました!
それは、
「イカル」
美しい鳴き声の冬鳥です。
冬鳥の多くは秋に日本に渡ってきて冬を越し、春になるとシベリアなど北の方に渡っていきます。
代表的な冬鳥の仲間にはオオハクチョウやツグミ、当園で展示しているオジロワシなどがいます。
イカルはスズメ目アトリ科の鳥で、太くて大きな黄色いくちばしが特徴的で、全長(大きさ)は23㎝くらいあって、スズメやツバメなどよりも少し大きいです。
ムクノキやエノキの木の実を好んで食べる習性があるので、毎年冬になると当園にもやってきて器用についばんでいます。
季節はまもなく「大寒(だいかん)」。
暦の上では一年で最も寒い時期になりますが、昼間の時間は少しずつ長くなっていますね。
梅のつぼみも少しずつ膨らんでいるような…
ぶろぐのぐ
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2024年12月18日
師走
先月の終わりくらいから寒さが本格的になり始めましたが、その頃の動物園ではお客様が写真撮影に夢中になっている姿が目立っていました。 撮影した写真を見せていただいたわけでもないので、何を撮っていたのかは定かではないのですが…
カメラの向いている方向から想像してみて「パシャリ」…
ウーン、こんな感じかな⁉
きっと短い秋を楽しんでおられたのでしょうね!
でも、季節はあっという間に12月です!
木々の落葉も盛んになってきました。
今年も残すところあと少し。
少し早いですが来年も王子動物園と動物たちをどうぞよろしくお願いいたします。
来年もこの動物園でみんなず~っと一緒に楽しく過ごせますように!
ぶろぐのぐ
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2024年10月16日
気分は新人飼育員⁈
この6月からジャイアントパンダからゾウと円形猛獣舎に担当が変わる事になりました。担当動物が変われば当然ですが、今までの作業内容も変わる訳で、16年間ジャイアントパンダの担当をしていたので他の動物なんて久々すぎて忘れていましたが、20年以上飼育をしてきても、新しい担当になれば新人さんと同じでまた一から覚えていかないといけないんだなと改めて思わされました。
覚えなければいけないと言うのは、作業であったり、新しい担当動物の餌や生態などであったり、担当動物、相方さんや班の人とのコミュニケーションであったり色々な事をまた一からスタートすると言う事なんですが、大変な反面、新たに担当動物が変わると言うのもまた楽しいものです。
最初は新しい環境や作業についていくのがやっとでしたが、最近は少し落ち着きやっと担当動物達をゆっくり見る余裕が出てきたなと思っています。
その中で最近はゾウの馴致(ハズバンダリトレーニング)のお手伝いを少しずつさせてもらっていますが、やっぱり動物との信頼関係を作っていかないと難しいものだなとこちらも改めて感じています。
ジャイアントパンダの「タンタン」とは16年一緒に過ごしてきたので、同じ馴致でもかなり言う事を聞いてくれていたのですが、まだたかだか4か月程度の関係では当然タンタンほどの信頼関係など築ける訳もなく、僕が指示を出しても中々聞いてくれないのが今の現状です。
まぁ、これは他の先輩達と比べれば当然の事なのでまた新しい担当動物達ともこれからゆっくり時間をかけて信頼関係を築いていければと思っています。
当園ではゾウの馴致を11:30、14:30と行っています。
(*動物の状態によって変更する事もあります。)
と言う事なのでもし当園に遊びに来られた時に、僕が馴致を行っているのを見かける事があって、ゾウが中々言う事を聞いていなくても温かい目で見守って頂けるとありがたいです(笑)
うめもと りょうじ
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2024年10月09日
50-50
毎日ニュースなどのメディアでにぎわせているメジャーリーガーの「大谷翔平」さん。
本塁打と盗塁の同時記録で史上初の「50-50(フィフティ、フィフティ)」を達成しても、さらに記録を更新し続けて私たちにたくさんの元気を与えてくれています。
そこで今回、
「大谷翔平」さんにあやかって動物園の動物たちにも「50」という数字に関係するものはないかと考えてみました。
年齢で「50」才、動物たちではかなりの高齢で…
じゃあ身長や体重は⁉
赤ちゃんが生まれるまでの妊娠期間や、鳥などの卵が孵化するまでの抱卵期間は⁉
う~ん、などと頭をひねっていると…
あっ!ありました!
びろ~んと長いキリンの舌
なんと50㎝もありました!
さらに、野生のキリンが自然の中で走るスピードは時速でなんと50km/hになるとのこと!
すごい!キリン「50-50」を達成です!
…などとバカげた話しですみません。
でも、動物たちの素晴らしい能力や、特徴のある体のしくみなどを調べてみたり、色々と考えてみたりすると案外おもしろくて、楽しいものですよ。
みなさんにもぜひおすすめします。
普段と違った見方でさらに動物たちへの興味が増してくれるとすごくうれしいです!
ぶろぐのぐ
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2024年10月08日
ふれあい広場のカピバラ3兄弟のお話
みなさん、こんにちは。
ふれあい広場で生活する動物達の飼育担当者です。
最近、来園者の皆様からパピコについて「心配」だというお声をたくさんいただきます。
今回はパピコを含め、多くの方に愛され、応援してもらったモナカとソウについても少しお話したいと思っています。
本当は、Xに掲載しようと思っていたのですが、どうしても140字にまとめられず
ブログに、想いを書くことにしました。
長くなりますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
ふれあい広場には、強くてリーダー的存在のソウ(オス)・寂しがり屋で甘えん坊のモナカ(オス)・おっとりした性格でマイペースなパピコ(メス)の三つ子のカピバラが生活していました。
この3頭は2018年に生まれ、母親が産後すぐに亡くなってしまったので、人工哺育で育ち、様々な試練も3頭で乗り越えてきました。
(幼少期の3頭)
(2023年の3頭 左:パピコ 中:ソウ 右:モナカ)
夕方の収容時間に1頭が散歩に出かける素振りを見せると他の2頭も揃ってぞろぞろと付いていき、3頭でお散歩に行ったり、誰か1頭が体調を崩したときには、不安にならないように3頭一緒にバックヤードで大事を取ったり…
生まれてから片時も離れることなくどんな時も3頭一緒に挑戦し過ごしてきました。
モナカが、パピコにちょっかいをかけるとソウがモナカを止めたり、寂しがり屋のモナカが呼び鳴きをすると離れて歩くパピコが止まって待っていてあげたりと、リーダーのソウを先頭に3頭は仲良く過ごしていました。
(左:ソウ 右:モナカ)
(3頭で散歩している風景)
昨年(2023年)の2月12日にソウのソケイ部(内股部)にできた内科的処置が困難な重度の膿瘍を摘出するため長時間の手術を行いました。
とても重度で困難な手術でしたが、無事ふれあい広場に帰ってきてくれました。
耳に留置針を固定し、夜間も点滴を流しながら獣医師と担当者が見守りました。
ソウが口をモグモグしはじめたので、ソウが好きな物をペースト状にし、シリンジで口元にもっていくとしっかりと食べてくれました。
回復に向かっていましたが、14日に急性膵炎により、ソウ(♂4歳)が亡くなりました。
※ソウに関する詳しい内容は王子動物園のスタッフブログに記載しています
(お昼寝中のソウ)
いつも、先頭を歩いてくれる「ソウ」というリーダーを失い、2頭にまとまりがなくなりました。いつもの道なのにバラバラな方向へ向かったり、食欲が低下したりと、リーダー的存在のソウとの急な別れに、2頭は戸惑っているように見えました。
(先頭:ソウ 左:パピコ 右:モナカ)
(収容待ちの3頭)
ソウとの別れの後、モナカ(♂)がパピコを引っ張っていくのかと思っていましたが、寂しがり屋で甘えん坊のモナカには務まらず・・・いつも、パピコの姿が見えなくなると呼び鳴きをし、探し回っていました。パピコ(♀)は相変わらずマイペースで、モナカの呼び鳴きには聞く耳も持たずでしたが、それでもなんだかんだ2頭で一緒に支え合いながら過ごしてきました。
ソウのいない生活に少しずつ慣れ、これもまた、2頭らしく良い関係性だと見守っていました。
(園内で取れた柿をほおばる 左:パピコ 右:モナカ)
(ふれあい広場で収穫したニンジンをほおばる 右:モナカ 左:パピコ)
2024年8月10日
元気はあるものの、日によってエサの残しが少し目立つようになり、連日続く猛暑の影響かと考えました。主食の牧草、青草や笹などに加えて、野菜、果物、ペレットなど普段よりもバリエーションを増やしながら食欲増加を狙いました。
また、体に異常がないか調べるために、採血を行い血液を院内検査の他に、さらに詳しく調べる外部検査機関に提出し、結果を待つことにしました。
8月24日
この日の朝も、池につかっているモナカにあいさつを交わし
置き餌は食べないのに、甘えて手からだと食べてくれるモナカに、好物のリンゴとブドウを与え、「キャベツも食べる?」と声を掛けながらキャベツを与えるとそれも食べてくれて、健康チェックのため身体を触り、健康チェックに協力してくれたお礼にモナカの好きなお尻周りをモサモサ触って…そんな何気ない朝でした。
(モナカの身体にできものができていないか、傷がないか等チェックしている様子)※過去の写真です
お昼ごろから、モナカの様子がいつもと何か違うと感じ、すぐに獣医師に来てもらい、点滴をしながら様子を見ることになりました。
警戒心の強いモナカは普段バックヤードに入ってくる事のない獣医師が入ってくると、パピコも近くにいてくれましたがやはりいつもと違う光景に不安がっていました。
どうにか落ち着いてもらおうと担当者が思い付いたのが、モナカは子供の頃から口で何かを吸うと安心するようで、よくパピコやソウの毛をチュウチュウと吸っていたことを思い出しました。モナカの口元にタオルをもっていくと、口でチュウチュウとタオルを吸い、落ち着いてくれました。
一緒にいるパピコにも落ち着いて過ごしてもらえるように、担当者はパピコにもモナカにも声をかけ、身体を擦りそばにいました。
スタッフの足の間に座るパピコ
しかし、モナカとの別れは突然やってきました。
2024年8月24日モナカが亡くなりました。急性リンパ性白血病でした。
(昼寝をするモナカ)
この仕事をしていると、担当動物との別れは何度も経験しますが慣れることはありません。
普段、呼び鳴きをするのはモナカで、その呼び鳴きにも答えずマイペースに我が道を歩むのがパピコだったのですが、ほとんど聞いたことのない呼び鳴きをパピコがするようになりました。
担当者の姿や、声が聞こえると柵越しに後を追ったり、姿が見えなくなると落ち着きなく動きながら呼び鳴きをしたり、モナカを失ったパピコには覇気がなく、いつもの何事にも動じないマイペースなパピコらしさが、ありませんでした。
そして、食べ物も自らはあまり食べないので、手から少しずつ食べさせました。
手から給餌すると、しっかりと食べてくれました。
パピコと過ごす時間をなるべく作り、パピコの心と体のケアをしっかりするように努めました。
(展示場で爆睡するパピコ)
しばらくの間、健康管理のために展示を中止していましたが、パピコの状態を見ながら、少しずつ1頭で外で過ごす練習をして、パピコが自ら展示場に入りエサを食べてくれて落ち着いた時間を過ごすようになってきたところで展示を再開しました。最初のころは、1頭で過ごすという事に戸惑っていましたが現在は少しずつではありますが、慣れてきたかと思います。
ですが今まで、3頭という小さな群れでコミュニケーションを取りながら生活してきた分、急に群れでのコミュニケーションがなくなり、パピコ自身戸惑いを感じているのかと思う事が担当者としてあります。
1頭で過ごすという環境に完全に慣れるまでは、コミュニケーションの一環として、担当者が体を触る・撫でる・そばにいる、というスキンシップ(健康管理もかねて)を、とっているところをご覧になる場合があるかもしれませんが、決して可愛いからと言う理由ではなく、今の環境に少しでも早く慣れてもらえるようにパピコのペースに合わせて心のケアを行っているからです。
これからも担当者としてパピコの心と体の健康維持に努めたいと考えています。
残されたパピコを思い、ご心配の声をたくさんいただきますが、パピコなりのペースで過ごしてくれています。
パピコは、3頭の中でも特にハズバンダリートレーニングに協力してくれていて、体温測定や採血、エコー撮影、レントゲン撮影など頑張ってできるようになりました。
引き続き、日々の健康チェックはもちろん、定期的な検査もしっかりと行っていきます。
今後ともぜひパピコに会いに来て下さいね!
(4頭揃っての最後の3ショット写真。左:ソウ 中心:パピコ 左:モナカ)
最後に、パピコとモナカとソウの生い立ちを動画にしてみたので、ご覧ください★
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