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2024年03月06日
チームタンタン日記(3)
ついこの間、新年を迎えたと思ったらもう三月なんですね~
花粉症対策が必要な季節に少し憂鬱なこの頃の僕です(笑)
さて話は変わり皆さん本命の、最近のたんたんさんの状況のお話などをしていきたいと思います。
現在28歳と高齢でもあり、寒さに強いジャイアントパンダではありますが、あまり寒暖差がつき過ぎるのも体調を崩す恐れもあるので、最近では夕方から朝まではエアコンで屋内展示場の温度調節を行い、晴れた日等は庭に出してあげたい所ですが、屋外の温度によっては屋内で過ごして貰う様にしています。
そんな事を知らないたんたんさんは「お外に出して~」と、アピールしてくる事もありますが、そこはたんたんさんの体調を考え心を鬼にしてアピールに耐えていますよ(笑)
そして最近、たんたんさんがよく行う行動に晩御飯用の竹を布団代わりにし、その上で眠っている姿を僕もよくX(元Twitter)に投稿しています。
なぜあのように使用しているのかは、本人に聞いてみないとわかりませんが、とにかく竹の布団がお気に入りになっています(笑)
そこで皆さんも気になっているであろう、最近のたんたんさんのお食事事情ですが、年齢や心臓疾患の影響もあり竹や、大好きなリンゴや人参の採餌量は病気が見つかった、この約三年の間にゆっくりではありますが減少傾向にありました。
そして近況では昨年の10月頃から全く竹やリンゴなどを食べなくなり、毎日与えている薬入りのジュースと、水しか飲まない状況が続いています。
ただ毎日のお薬の中には栄養剤も混ぜていますので、たんたんさんは栄養補給は出来ており、今も体調は安定した状態を保っているので、皆さんもご心配しないで下さいね。
当然、僕たち『チームタンタン』、中国から来てくれている獣医師などたくさんの目で、たんたんさんの小さな体調変化にも気がつける様に管理出来る状況を作っています。
ただやはり少しでも食べてもらいたいと言う気持ちは僕らみんな持っていますので、これから春から夏にかけてはたんたんさんの大好きな筍も出てくるので、たんたんさんに少しでも何か食べてもらえる様に、色々探していきたいと思います。
皆さんにも引き続きたんたんさんの応援をお願い出来ればと思います。
うめもと りょうじ
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2023年06月01日
チームタンタン日記(2)
4月12日、すでに知っている方もいるかも知れませんが、ジャイアントパンダ館屋外展示場を囲うようにシートを設置しました。
(シート設置前)
(シート設置後)
これは現在心臓疾患の治療中である旦旦の治療の一環として作られたものです。
以前までは旦旦にあまり負担をかけないよう、休園日の水曜日のみ屋外展示場に出てもらい、休園日以外は通路でフェンス越しに日光浴をしながら過ごしてもらうようにしていました。
(日光浴中のタンタン)
やはり旦旦も屋内ばかりよりも屋外で過ごす方が気持ちが良いのか、屋外ではリラックスして過ごせているように思えたので囲いを作ってもらう事になりました。
囲いが出来上がってからの数日は屋外展示場に出ても周りを見回したり、少し落ち着きがない様子も見られましたが、そこは順応力抜群の旦旦ですので(笑)
すぐに環境にも慣れてくれて、以前と変わらない様子で過ごしてくれるようになってくれたので、とても安心しました。
囲いを設置して約一か月経った現在は、天気の良い日はなるべく屋外に出て自由に過ごしてもらい、旦旦も楽しそうに日光浴や散歩を堪能してくれていますよ。
ただジャイアントパンダは暑さが苦手なのと旦旦の病気や年齢的な事もあり、屋外の温度には今まで以上に
気をつけなければいけないので、夏までにはまた通路で過ごしてもらう事になると思います。
気候がよい時期のうちに旦旦には少しでも今の生活を楽しんでもらいたいと思います。
【現在、観覧は中止していますのでご了承ください。】
うめもとりょうじ
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2023年04月05日
チームタンタン日記(1)
当園で飼育を行っているジャイアントパンダのタンタン。
皆さんから神戸のお嬢様とも呼ばれ、とても可愛らしいパンダさんです。
しかし、可愛らしい見た目とは裏腹に現在27歳と日本最高齢の高齢パンダさん。
最近では心臓の病気も見つかり、現在は毎日の体調管理の為、観覧を中止させていただいております。
そんな毎日のタンタンの様子は、王子動物園公式のTwitter『#きょうのタンタン』からも見ていただけますので、是非ご覧になってくださいね!
病気が見つかってからは、毎日の獣医さんの診察が欠かせなくなり、僕たち担当者からすると少しでも毎日の診察の負担やストレスを減らせる工夫が出来ないものかと頭を悩ませています。
そんな中で今回新たに導入した器具があります。こちらが今回新しく診察用ケージに取り付けた体重計です。
屋内展示場にも体重計がありますが、タンタンの気分次第で毎日の測定ができない場合がありました。毎日の体重を確認することは体調を把握するうえで重要ですので、これからは、より確実に行うことができるようになると思います。
そしてもう一つあります。
こちらのケージの床面に、写真の様に新たに扉で開閉可能な格子状の穴を開けてもらいました。
こうすることで、床下からもタンタンに直接アプローチすることが可能になり、より診察が行い易くなりました。
今回取り入れた器具で、少しでもタンタンの
負担が軽減し、病状回復につながれば嬉しいです。うめもとりょうじ
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2021年08月29日
#また明日ねを続けていけるように ~投薬治療 パンダ団子編~
リンゴ、ブドウ、サトウキビ、そしてジュースとたんたんさんにお薬を飲んでもらうために試行錯誤を繰り返し、現在はサトウキビジュースを使い安定して、たんたんさんに投薬を行える様になりました。
ただ...たんたんさん...とても味に厳しく、自分の気に入ったものしか口にしてくれません(´;ω;`)ウッ…
もしかしたら、いつかジュースも飲んでくれなくなる時も来るかもしれません...
そこで、新たなる投薬方法を考えた結果、あれが候補にあがりました...そう、昔たんたんさんが食べていた『パンダ団子』です!
そこでまずは作ってみない事には始まらないので、レシピを取り出し、必要な材料を注文し、いざ作製へ!
作り方自体はとても簡単で、竹粉、米粉、大豆粉、トウモロコシ粉などの材料を混ぜ合わせる、蒸す、これだけです。
前に一度作ったこともあるので、今回はとてもスムーズにパンダ団子が完成しました。
そして完成した団子をたんたんさんに食べさせてみることに。
「たんたんさん、食べてくれるかな~?」
と不安になりながらも、少し期待も持ちながらたんたんさんに与えてみると...
クンクン...
「匂いを嗅いでる、興味はあるみたいだな...」
パクッ...
「あっ、一口食べた!」と思った瞬間、
ポトッ...
たんたんさん、団子を落としてしまいました ;つД`)
「一口食べたのにダメだったのは、味が気に入らなかったのかな?」
と思いながらも、匂いや味にまだ慣れてなかったのかもしれないしとりあえず何度かチャレンジしてみようということに。
そして、夕方に再び団子を、今回は先ほどとは違い「食べてくれるかな?」といった期待感もあまり持たず(笑)、少しでも慣れてもらえればと軽い気持ちでたんたんさんに渡すと...
なんとパクパクと食べだしたではありませんか!
まるでさっきの事はなかったかの様に、たんたんさん普通に食べてくれました(笑)
とりあえず団子を食べてくれるのはわかりました。
いきなり薬を入れ、もし団子を警戒し食べなくなってしまったら本末転倒なので、しばらくは団子に慣れてもらうのから始め、慣れてきたら薬を中に入れてみようということになりました。
はい、今回は以上です!
今回もたんたんさんには色々と振り回されました(笑)
次回は現在のたんたんさんのお薬の状況などを、お伝え出来たらなと思います(*^^*) -
2021年08月22日
#また明日ねを続けていけるように ~投薬治療 サトウキビジュース編~
サトウキビを使った投薬方法に成功し、数日経ちましたがとりあえずはたんたんさんまだ食べてくれています。
しかし、やはりと言うか少し警戒する様子も見られはじめ、場合によっては食べてくれない時もありました。
やはり次の手を早急に考えねばなりません!
ためしに薬の入っていないサトウキビを与えると食べてくれます。
他のものは一度警戒するとしばらく食べてくれないことがあったので、サトウキビはやはり好きな食べ物のようなので、サトウキビを使った他の与え方はないかと、みんなで調べてみると「サトウキビのジュースがある!」とある一人が見つけました。
とりあえずは何でも試してみようということになり、サトウキビジュースを使用してみることに。
サトウキビジュースが届き、あとはどう使うかなんですが、以前使った方法と同じく、薬ごとミキサーにかけて氷にしてみました。
与えてみると、食べることは食べるのですが完食とまではいきません。もうそれならと容器にジュースを入れ直接飲ませてみることにしました。
口元に持って行くと「ぺろぺろぺろ」...なんとたんたんさんものすごい勢いでジュースを舐めはじめたではありませんか!
これは上手くいけばかなり使えるのではないかと、気持ちの中に少し光が差してきました。
まずは薬の入っていないそのままのジュースで慣れさせていき、慣れてきたところで、薬を粉状にし、それをジュースに混ぜて与えてみました。
そしていざたんたんさんの口元へ...
「飲んでくれるのか?」と固唾を飲み、見守っていると、「おっ、すこし舐めた」と思った瞬間、舐めるのをやめてしまいました。
やはり薬の味を気にしているようだったので、薬の味を少しでも消すためジュースを足し再び与えてみると、たんたんさんすごい勢いで舐めはじめ、見る見るうちに容器に入っていた薬入りサトウキビジュースがなくなっていきました!
今までで一番薬を気にしていない様子の飲み方を見ると、これは継続して使えると思い、少し投薬の問題が解決したのではないかと、安心したことをよく覚えています。
しかし、サトウキビジュースですらいつか飽きる可能性もあるので、また何か考えなくてはいけないなと思いながら、次に候補として浮かんだのが昔にあげていたあの食べ物です。 -
2021年08月15日
#また明日ねを続けていけるように ~投薬治療編~
ツイッター「#きょうのタンタン」で書ききれなかった分を、ブログでご紹介します。
リンゴ、ブドウ、そしてお薬入りの氷と次々とたんたんさんに気づかれてしまい、さぁ次は何が使えそうかなと考えていると、そういえばサトウキビが好きだったなと思い出しました!
そこで次はサトウキビで投薬を試してみることにしました。
そこで使うにあたり問題になったのは、サトウキビの硬さです。
リンゴやブドウはすぐに穴も開けられて薬も入れやすいのですが、サトウキビはそういう訳にも行かず、硬い道具で隙間を開けそこに薬を押し込む感じで、しかもそれだけではたんたんさんが持っただけで薬が落ちてしまうし、それに薬を隠さないとたんたんさんは匂いなどでも気が付いてしまうので食べてくれない可能性が大です。
そこで獣医師の一人が考えてくれたのが、サトウキビを二つ使い、挟み込み、薬を落ちにくく、しかも隠してしまうという方法です。
これだけではたんたんさんが食べる前にバラバラになってしまうので、最後に冷凍し、固めてやっと完成です!そんないくつもの工程を経て、やっとたんたんさんにあげられる形になりました。
さぁ、あとは食べてくれるかだけです...
恐る恐る与えてみると...
たんたんさん、食べてくれました!ひとまず、ほっとした気持ちもありましたが、喜んでばかりもいられません。
何故かというと、今までの流れ的にまた食べてくれなくなる可能性があるからです。
次の一手を食べてくれている間に考えておかねばなりません。
「さぁ、どうしようか...サトウキビ...何か他の使い方ないかな?」
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