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最新ニュース

  • 2024年11月03日

    動物専門員の日常#14 動物の体重をはかる集い~想定外だったシロフクロウの大きさ~

    みなさん、こんにちは。最近、何か想定外の出来事はありましたか?

     

    SNSや生成AIが私たちの日常に溶け込んできて、実際に体験をしなくてもいろいろな情報を簡単に手に入れられるようになりましたよね。何か知りたいことがあれば、すぐに答えにたどり着けるし、物事の予測もしやすくなったと感じることもあります。

     

    でも、飼育業務はそんなデジタルの便利さとは違うような気がします。

    動物たちのことを深く理解するには実際に関わり、観察することが欠かせません。

     

    私は最近、想定外だと感じることがたくさんありました。

     

    今回は、王子動物園で開催される“動物の体重をはかる集い”にちなみ、

    その内の1つであるシロフクロウのヒナの大きさを紹介したいと思います。

     

    屋外展示場にて、シロフクロウのオスを1羽、メスを2羽飼育しています。

    今年の6月にメスの1羽が6つの卵を産卵し、6月下旬にはそのうち5羽が孵化し、現在は4羽が成長しています。


    ▼7月初旬

    IMG_2090

    ▼9月下旬

    IMG_3049

     

    シロフクロウファミリーの子育てや屋外展示場における暑さ対策、今後のヒナについてはボリュームたっぷりな内容になってしまうのでどこかの機会でまた紹介をしますね。


    さて、私にとって想定外の出来事。
    それは“シロフクロウのヒナの大きさ”です。

     

    シロフクロウを含むフクロウ類は同じ巣で産まれた兄弟でも体の大きさに著しい差が見られることが知られています。ある時期に数日おきに卵を産むのですが、フクロウ類の母親は最初の卵を産むとすぐに温め始めるため、その一時期に産んだ卵のうち、最初の卵と最後の卵とでは、孵化する時期がかなり異なります。これは“非同時孵化(ひどうじふか)”と呼ばれ、確実に子孫を残すための戦略だと考えられています。

     

    今回、誕生したヒナたちも体の大きさが全く、異なりました。

    1号(最初に孵化した個体)と5号(最後に孵化した個体)の大きさの差は

    パッと見、約4倍もあります!!(/・ω・)/

     

    まさに、想定外!

     

    餌が少なくなったときに初めに産まれたヒナが後から産まれたヒナを食べてしまうこと(いわゆる兄弟殺し)があるとも言われており、実際に体の大きなヒナが小さなヒナの上に乗りあげたり、突いたりしていた時期もありました。野生のシロフクロウの生き残りの厳しさを垣間見たような気がしました。


    ▼7月初旬の様子

    シロフクロウファミリ―

     

    また、この時のヒナの成長スピードは、めちゃくちゃ速かったです。

    休み明けにシロフクロウ舎でヒナを確認をするたびに、来る日も来る日も驚いていました。

     

    ほんと、想定外!

     

    それもそのはず、一生の間で最も攻撃に弱いこの時期をヒナたちは短時間のうちに通り過ぎないといけません。ただただ食べて、眠り、大きくなることを繰り返していました。


    ▼腹ばいになって寝るヒナ

    IMG_2081

     

    ▼ふわふわの綿羽で覆われたヒナ

     

     

    さて、11月現在、綿羽は生え変わり成鳥のシロフクロウと同程度の大きさにまで成長しています。

     

    最近、取り組みを強化しているのはハズバンダリートレーニングを利用した体重測定です。捕まえて体重を無理やり図ることもできるのですが、できるだけ負担をかけずに行うために、ヒナたちに協力してもらいながら体重を測定しています。


     ▼体重測定の様子

    IMG_3048

    IMG_2774

     

    一見、簡単に乗っているように見えるのですが、シロフクロウにとって体重計は未知の物体です。恐怖心を植え付けないように少しずつじっくりと時間をかけて慣らしていくことが大切です。ただただひたすら、辛抱強く待ちます。

     

    ヒナ全羽への体重測定のためのハズバンダリートレーニングは、

    実はまだ、未完成の状態です。

     

    すぐに体重を測れるヒナもいたら、体重計を警戒し全く近づいてもきてくれないヒナもいます。個性はそれぞれだな~と感じながら、取り組んでいます。

     

    なので、体重測定をしている様子を見かけたらそっと見守ってくれると嬉しいです。

     

    (※ヒナの個体識別のために、羽根の一部に食紅を付けています。)

     

     

    動物専門員 あお