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2023年08月12日
残暑お見舞い申し上げます。
暦の上では秋になったとはいえ、まだまだ日本中が厳しい暑さに見舞われています。
夏休みにはいろいろな思い出がありますが、子供時代のそれは、外で冷えたスイカを食べて種飛ばしをしたりと、今から見ればまだまだのどかな風景とともに記憶に残っています。若い頃は、TUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」や「あー夏休み」がいつも頭の中でリピートされていたものです。
しかし近年、毎年のように気温が上昇し、特にここ数年の夏の暑さは、体温より高い気温が連日のように計測。路面温度は50度以上と焼けつくような環境を、ベビーカーに乗った赤ちゃんたちはどのように感じているか。「日本一暑いまち」などというランキングも怖くなるぐらい、冗談でなく死の恐怖と隣り合わせなのに、「災害級の猛暑」という表現に慣れてしまっている自分に驚く今日この頃です。
この時期は、王子動物園のような屋外施設にとっては、お客様も少なく平日は閑散としています。しかし、お客様の健康を考えると、「混んでいなくて快適に観覧できますよ」などと気楽に来園を呼びかけるのもはばかられ、頭の痛いところです。
もちろん、水の中で涼しそうに過ごすペンギンやアシカなどを見ていると涼しく感じられますが、王子動物園で過ごす多くの動物たちにとっても、この異常な暑さは大敵でしょう。飼育員、獣医師などスタッフ総出で日ごろから健康管理をしっかり行っていますが、人間と違って「暑い!」と言えない分、なおのこと飼育環境での様々な工夫を施していかなければなりません。
近年の気温上昇は、人間活動により排出される二酸化炭素の増加や森林伐採等による自然環境の破壊などによって引き起こされた地球温暖化によるものと言われて久しく、日本国内でも異常降雨や水害が頻発していますが、世界各地の異常気象も含めてその関連が指摘され、少しでも改善するよう対策に取り組むことが叫ばれ続けています。実際に国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)は多くの人が重要性を意識し、特に地球環境の面では再生可能エネルギーやフードロス削減など、最近は国や地方公共団体、企業を挙げて積極的に取り組む機運も高まってきているように思います。しかし、まだまだ十分なレベルではないという印象です。
このような時代にあって、動物園に来て実際に動物たちをご覧いただきながら、地球環境が激変する中で野生動物の現状はどのようになっているだろうか。人間と野生動物がたった一つの地球で共生していくにはどうすればよいだろうか。野生動物が生息する環境を保全するために自分に何かできないだろうか。動物園は、このようなことを動物から感じ、野生動物と自分たちの生活はつながっていることを考えていただくきっかけとしてほしい。 「王子動物園リニューアル基本構想」に位置付けられた、目指すべき方向性の「2.動物を通して自然や環境への扉をひらく 『まなぶ』」には、こんな思いが込められています。
『まなぶ』に関しては、リニューアルに関わらず、できることはすぐに取り組みたいと思っています。みなさんも、自分たちに何ができるかを少し考えていただきに、この時期に王子動物園に来てみませんか?
最後に、暑さ対策を万全に、体調には十分注意して、動物たちと一緒にこの暑さを乗り切りましょう!
(KYな人)
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